「昔は親が学校にケンカ腰で来ることは考えられなかった」

中学受験をする児童の数は、首都圏模試センターの調査によれば、2023年度に5万人を超えたという。

そんな中、「受験シーズンに保護者から無理な要求をされた」という小学校教員の悲痛な声がSNSにあがっている。

「中学受験に向けて子供を休ませている家から『給食だけ食べに学校に行かせたい』と言われ、『送迎は必ず保護者が来てください』と伝えると、『仕事だから行けない』とのこと。最後には『何も寄り添ってくれないんですね』と逆ギレされた」

写真はイメージです(PhotoACより)
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中学受験の過熱ぶりを象徴するようなエピソードである。この投稿内容を現役の小学校教員たちはどう捉えるのか。

ある30代の男性教員はこう話す。

「もし私が同じ状況に置かれても、親に対して強くは出られません。なぜなら、親から教員個人に対してクレームをつけられることは、やはりとても恐いです。

受験の時期は親も子も精神的に不安定になっている家庭が多いので、真っ向から対立しても火に油を注ぐだけです。私だったら、逆ギレされた時点で管理職に親を説得してもらい、その子に授業を受けさせますね」

写真はイメージです(PhotoACより)
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このように話した上で、「自分が中学受験をした頃からは大きく時代が変化した」と続けた。

「私も今から20年ほど前、中学校受験をした経験があります。1月はどうしてもピリピリしてしまう時期ですが、内申書がある学校もあったので、学校とうまくやることが前提だったと思います。このように親が学校にケンカ腰で来ることは考えられない時代でした」