「今は楽しんで食べてもらえればそれが一番」
国連によれば、2050年には世界人口が90億人を超え、食糧危機が深刻化すると見込まれている。そうした中、日本能率協会総合研究所では2025年には昆虫食の市場は1000億円規模になると予測していたが、実際はどうだろうか。
「世界的な見方ですと、たんぱく源の不足が起こるのは2030年と言われています。もう5年後とかそんなものです。世界的に見れば昆虫食は推進していると思いますよ。例えば去年、シンガポールが昆虫食の販売を許可するなど動きは広がっています。
コオロギ食、昆虫食の市場規模に関しては、もともと描いていたカーブよりはゆっくりした曲線で上がっているという感覚です。ただ先程も言いましたが、昆虫食に関しては、たんぱく源の減少が起こればそのまま食べるだけでなく、豚とか牛のエサにして育てる促進をするなど、さまざまな動きが起こると思っています」
現在「国内では昆虫食を推進していくといった目立った動きはない」と語る小澤氏。だが、今あるものが地球環境の変化によって維持できなくなる可能性があるという。
「お米も一緒だと思いますが、手に入らないという現実に直面しないとなかなか変わらないかもですね。現に今は鳥も豚も食べられますし、食糧に困るという実体験もないだろうし感じる場面もないかと思います。
ただ、世界的な潮流として『たんぱく源が足りなくなるから必要なんだ』と言われているわけです。ですから、僕はコオロギブームとかにならなくても別にいいのかなと思います。食のブームとしてやっているわけではなく、ひとつの選択肢としてやっているわけです。まあ、今は楽しんで食べてもらえればそれが一番です」
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班