花粉症が低年齢層で増えているのは外遊びをしなくなったから
くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどつらい花粉症の症状。花粉症とは、スギやヒノキなどの花粉が体内に入った際に起こるアレルギー性の症状のことを指す。
花粉が鼻や目の粘膜に入ると、体が異物(アレルゲン)と認識し、ヒスタミン等のアレルギー症状の原因物質が生成される。原因物質が神経や血管に作用、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどが引き起こされるのだ。
環境省による「花粉症環境保険マニュアル2022」(10年毎に調査を実施)によると、全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした鼻アレルギーの全国調査では、花粉症の有病率は、1998年は19.6%、2008年は29.8%、2019年は42.5%で10年ごとにほぼ10%増加している。
特に低年齢層で有病率が増加している理由のひとつに、生活様式や食生活の変化が関わっているようだ。大久保医師が解説する。
「子どもの花粉症が増えたのにはさまざまな原因はありますが、一番は生活様式の変化です。今の子どもたちは外遊びの時間が減って、砂場で遊んだり、土のグラウンドでドロドロになって遊んだりということは少なくなっています。外の細菌と触れる機会が少なくなり、免疫に変化に生じてしまい、花粉に免疫反応を起こす子が多くなったと言われています。
今後ますます花粉症の子どもは増えていくので、全体的に花粉症の有病率は上がっていくことは確実です」(大久保公裕先生、以下同)