「ONEさんならもっと怖く描くだろうなと思って」(設楽)
――設楽先生は『バグエゴ』を作画するときに、どんなことを意識していますか?
設楽 やっぱりまずONEさん“らしさ”を残すことです。僕がONEさんの作品で好きなのはシュールなところと、どことなく“怖い”ところなんです。これまで自分ではあまり怖い演出とか描いたことがなかったので、いつもそこは気をつけないとな、と思っています。
例えば化け物を描くときも自分の本来の作風ではなく、ONEさんのジトッとしたホラー感というか、その辺りを大切にしたいなと思っています。
――実際に作中に登場する「夢の中」のシーンはものすごい恐怖感と不気味さがありました。
設楽 いやでもONEさんならもっと怖く描くだろうなと思っていて……。
ONE いやそんなことはないです(笑)
――ホラーシーンはもちろんなのですが、『バグエゴ』は全体的にもかなり手間と時間をかけて作画をしている印象があります。
設楽 そうですね。日常に潜む“バグ”をテーマにしているなら、日常部分をかなりしっかり描かないと偽物っぽく見えるというか、ただただファンタジーになってしまうと思うんです。きっとリアルな絵の方がバグは際立ちますし、リアルだからこそ不気味に感じるのかなと思い、こだわりを持って作画しています。
――原稿制作はまずONE先生のプロットを設楽先生がネームに起こし、それをまたONE先生が確認するという流れだと伺いました。
ONE 往復の回数はけっこう多いんじゃないかな、と思います。細かい調整も仕上げ前に挟んで進行しています。幸せな仕事をさせていただいてるなと、自覚しています。
設楽 僕が勝手にやっちゃう部分もあるんですけど、でもONEさんのマンガなので、やっぱり最終的にはONEさんに決めてもらいたい気持ちがあるんです。