物流効率化セミナーが開催。「スマート置き配」などの最新施策事例も

物流の最適化が急務となる中、東京都による物流効率化に向けた社会的ムーブメントを醸成するプロジェクト「東京物流ビズ」の一環として、2025年1月28日、「物流効率化セミナー」を開催。事業者による物流効率化の優良事例や、行政の物流施策に関する最新情報が紹介された。

会の冒頭、東京都の小池百合子知事はビデオメッセージで「物流は生活や経済、文化活動を支える重要なインフラ。効率化は待ったなしであり、荷主や消費者を含め、社会全体で行動していくことが大切」と述べ、荷主に対しては「一括発注で発送の頻度を減らし、ゆとりある納期を設定するなど、一層の効率化を目指してほしい」と語った。

また、消費者に対しても「通販を利用するとき、注文方法や受け取り方を工夫して、配達の回数や再配達を減らしていこう」と呼びかけた。

2025年1月28日に東京・新宿で開催された「物流効率化セミナー」の様子
2025年1月28日に東京・新宿で開催された「物流効率化セミナー」の様子

同セミナーでは、国土交通省が進める物流革新の取り組みや、東京都産業労働局による支援策など、物流の効率化に向けた政府や東京都の施策が詳しく紹介された。

たとえば、東京都都市整備局は現在、物流効率化を目的とした事業者や都民への広報活動を積極的に展開している。同局は、消費者が物流の理解を深めることの必要性に触れながら、都民や荷主に対して再配達の削減など物流効率化の重要性を周知するとしている。

また、事業者向けには企業・団体間の交流機会の提供や各種セミナーの開催、ポスター掲出などを通じ、事業者と荷主の相互理解を深め、輸送の効率化を促進する方針を示した。

さらに、物流の効率化に貢献する技術として、株式会社ライナフの「スマート置き配」も紹介された。同社は、不動産オーナーや管理会社に向けて、置き配の普及と導入を支援するサービスを展開している。

不動産管理向けに「スマート置き配」を展開する株式会社ライナフ
不動産管理向けに「スマート置き配」を展開する株式会社ライナフ

同社の「スマート置き配」は、集合住宅向けスマートロック「NinjaEntrance」をエントランス付近に設置し、オートロックマンションでも置き配を可能にする、というもの。入館できるのは提携する宅配サービスの配達員のみで、配達時の入館履歴も記録される。これにより、宅配ボックスが設置されていない、または不足している不動産でも、セキュアな置き配の導入が可能となる。

現在、全国14,000棟のオートロック付きマンションに導入されており、物流の効率化と利便性向上に寄与しているという。

ライナフ社が展開する「スマート置き配」の仕組み(写真は同社プレスリリースより抜粋)
ライナフ社が展開する「スマート置き配」の仕組み(写真は同社プレスリリースより抜粋)