記者は「何を聞いても同じような答えしか返ってこない」
斎藤知事は、2馬力疑惑について「選挙の当事者」であることを理由に首相の発言への受け止めを話すことを拒んだ。さらに選挙のもう一つの問題点であるSNSによる誹謗中傷やデマ攻撃については「当事者ではない」ことを理由に、実態の確認も再発防止策をとることも難しい、と言ったことになる。
兵庫県は斎藤知事の再選後、原則週に1回の知事の記者会見の時間を1時間程度に絞っている。この日も会見冒頭に県当局者はこの方針を宣言した。
だが、すでに多くのメディアで報じられている立花氏の言動を今も把握していないと言い続ける斎藤知事の姿勢に、会見の終盤、記者から「(会見を)1時間に制限するということであれば、知事にも真正面から記者の質問に答えていただきたい」と直接的な苦言が呈された。
これに対し斎藤知事は「私自身も自分が答えられるところを答えさせていただいてますので、その姿勢はこれからもしっかりやっていきたいと思います」と反論した。
実際の答弁態度からかけ離れた説明に納得しない記者は、「何を聞いても同じような答えしか返ってこないってことであると、やはり会見が長くなってしまうと思うので、しっかり、肩透かしのような答えはせずに正面から答えていただきたいと思います」と再度、念を押した。
Aさんが告発した疑惑を背景に行なわれた出直し知事選が、捜査や法改正が迫られる重大な問題を次々と引き起こした。国会では関連法改正に向けた議論が進む中、問題の渦中にいる斎藤知事は動こうとしない。告発から1年が経とうとしているのを前に、兵庫県の混迷は深まり続けている。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班