「新葛飾署制服ラプソディーの巻」(ジャンプ・コミックス第141巻収録)
今回は、現在ではすっかり淘汰されたコンビニのエロ系雑誌コーナーに制服姿で陣取っていたことを市民から非難された両さんが、制服警官による犯罪防止効果を賭けて24時間制服ですごすお話をお届けする。
両さんの場合はフリーダムすぎるが、制服警察官による防犯効果は実際にかなりのものがある。しかし、「公務中の者が買い物をする、飲食をすることがけしからん!」と言いだす人も多くいるという。
警察官による買い物に関して、とある県警の出した依命通達を挙げてみよう。
「制服警察官による飲食物の購入は、防犯警戒に併せたものであることを十分認識し、飲食物等の購入時は、旺盛な警戒心を堅持するほか、身体および服装を清潔かつ端正にする……」
どうだろう。こんなことを並べ立てないといけない行為とは、とても思えないのだが。
「救急隊員が自販機でドリンクを買って飲んでいた」「バスの運転手がサービスエリアでカレーライスを食べている」といったクレームが話題になったのを覚えている方も多いだろう。こんな異様なクレームにも対応して「理解を求める」必要がある社会は、あまりにも窮屈ではないだろうか。
ちなみに、もし両さんが現実に存在していたら、署には毎日クレームが殺到し、その一挙手一投足がスマホで撮られてネットで拡散されることだろう……。
ちなみに本作中で新葛飾署が巨大なうさぎ型をしているのは、「新年、新築、新気分!の巻」(ジャンプ・コミックス第140巻収録)で世界的建築家による建て替え用の建築模型を、両さんが取り違えてしまったことによる。
署も「衣替え」中というわけだ。なお、「うさぎが跳んでいった日の巻」(ジャンプ・コミックス第143巻収録)で、従来の姿に再度立て直された。
それでは次のページから、季節による衣替えではなく、防犯のために衣替え「しない」ことにした新葛飾署の試みと、その顛末をお楽しみください!!