斎藤知事は「立花さん自身も知らなかったですし直接会ったこともない」
政府トップの意志が明確になった翌2月5日、斎藤知事の定例記者会見では当然この問題が焦点になった。
だが、首相発言の受け止めを聞かれた斎藤知事は、「私は選挙戦を戦った当事者でもありますので、首相のコメントについては差し控えたい」と回答をせず、「いずれにしても、選挙制度については国会や国において議論される、そして必要があれば改正などの対応はされるべきものだという風に認識してます」と一般論だけを述べた。
斎藤知事はこれまで「自分が当事者である選挙戦を精一杯やらせていただいた」として、立花氏との連携を否定してきたが、この日も同様の説明を繰り返した。
しかし地元メディア関係者は、「斎藤知事の街頭演説で聴衆の整理にあたった斎藤陣営のボランティアらしい人が、立花氏の演説でも聴衆の整理をしていた姿が目撃されています。また、斎藤知事の支持者が立花氏の選挙ポスターを貼っていたとの証言もあります。斎藤知事の支持者は、立花氏の行動は力になると思い、受け入れてきた可能性があります」と解説する。
このため記者会見で「(斎藤知事の)周りは(他候補からの応援があることを)みな認識していた。ご自身だけエアポケットのように『認識してない』というのは無理があり、選挙後にこれだけ問題視されても何も言わないのは無責任だ。改めて2馬力選挙についての認識を聞かせてほしい」と突っ込んだ質問が出た。
斎藤知事は「立花さん自身も知らなかったですし、直接会ったこともなかったですし、もちろん討論会の場でご挨拶はしたこともありますけど、私自身は自分ができる選挙、自分自身がやれることを精一杯やって、そういったことはないという風に申し上げてきてました」と反論。立花氏の動きは認識していなかったと強調した。
また、知事選で誹謗中傷やデマが飛び交ったと指摘されていることについて、記者から「立花氏の情報発信の中に誹謗中傷や事実に基づかないものがあったとお考えか。知事として事実関係を把握する立場にあるので、判断できる立場にいるのではないか」との質問を受けると、次のように答えた。
「県行政として個人間の問題ややり取りに立ち入るということは難しい。そして当事者ではないということもありますので、個々の投稿の内容について、発信者の内容等について、県行政として何か立ち入るということは難しいという風に思います」(斎藤知事)