評論家と「改革者」は紙一重の違い

とはいえ経営者としても、型や仕組みがあるといいなとは考えています。

ある程度の規模や社員数になると、経営者が全社員の行動をチェックしたり指導したりするのが難しくなるからです。

経営者が立てた戦術を全社員に遂行してもらうための型が必要になります。

ですが属人的な手法で結果を出してきた天才肌の経営者にとって、自身の感覚や論理を型や仕組みに落とし込むのは不可能だったりします。

「前の会社ではこうだった」大手企業出身者がベンチャー企業では最も嫌われる評論家に成り下がってしまう悲しい実態_3
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ここで、「セカンドペンギン」の出番です。型や仕組みがないなら、あなたがつくりましょう。一部の天才の成果に支えられるのではなく、全員が着実に結果を出せる仕組みを。

自ら率先して任務を遂行して、うまくいった方法をまとめて、他の人でも再現できる型や仕組みを提案するのです。

これができる人こそ、求められている人材であり、評価される人です。仕組みがないことは、ある意味で、あなたが結果を出すチャンスなのです。

じつは評論家は、もっとも成功に近い人であるとも言えます。組織を俯瞰《ふかん》して欠点や改善できる点に気づく力を持っているからです。

それを指摘するだけで、行動は他人に任せているから評価を下げるのです。「もっとこうしたほうがいい」と思いついたら、他人に任せてはいけません。

仮想の計画を立てたり実地で調査したり、こっそり小さく始めてみたり。なんでもいいから自分でやってみることが大切です。

口だけでなく手を動かし、足を使い、行動するのです。そうして多少なりとも結果が出たアイデアなら、経営者の耳にも届きます。

なぜなら経営者が何よりも好きな言葉は「結果」だから。組織の課題を見つけて評論している人と、課題を見つけて仮説を立てて行動したうえで提案する人。

最初の気づきは同じでも、得られる結果や評価は天と地ほどの差になります。

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