ゴールドマン・サックスなど金融業界にもレイオフの流れが波及
いま、欧米のテック系企業で流行している「レイオフ」という制度をご存知だろうか?
レイオフとは、業績が悪化した企業が人件費の削減を目的に、従業員を一時的に解雇すること。基本的には業績が回復した際には再雇用することを前提としているが、有休中や育休中などとは異なり、あくまで「解雇」なので給与は支給されなくなる。
アメリカでは新型コロナウイルス流行期に採用を拡大したところ、コロナの収束とともに、人員の過剰が目立つようになった。これがレイオフが流行した要因のひとつだと言われている。2022年後半から2023年初夏にかけて、主にテック系企業での大規模なレイオフが続き、今年に入ってからも再びレイオフ報道が相次いでいる。
いまやGoogleやマイクロソフトといったテック系大企業のみならず、大手外資系のゴールドマン・サックスなど金融業界にもレイオフの流れが波及している状況だ。
そんななか今年2月、X上でGoogleのアメリカ本社に勤めていた日本人男性社員が、突然レイオフされたという内容のポストを投稿し、3.5万以上の“いいね”(2月末時点)を獲得し話題となった。
この男性は、なんの前触れもなく有休中に突然解雇されてしまい、いきなり無職に陥ったことに大きなショックを受けたようだ。
Xのポストの補足によれば、レイオフ後すぐにGoogle社員でなくなるわけではないようで、退職の準備期間は設けられていたそうだが、これには他のXユーザーから≪厳しい世界…≫≪外資はこんなにも冷酷なのですね…ビックリしました…≫と、企業のあまりのドライさに驚きの声が多く寄せられた。
この、日本ではあまり知られていないレイオフとはいったいどういう制度なのだろうか?
そこで、経営者側労働法専門弁護士として活躍し、多数の労働訴訟案件などを担当してきたKMM法律事務所の倉重公太朗弁護士に、レイオフについて法的な観点で解説してもらった。