病気の詳細を公表できなかった理由

「もしもツアーズ」「めざましテレビ」「ぽかぽか」など、多くの人気番組に出演していた人気アナウンサーの渡邊渚さんがフジテレビを退社したのは昨年の8月。現在は独立し、個人での活動を続けることを明らかにしている。

昨年10月1日には、自身のインスタグラムでPTSD(心的外傷後ストレス障害)だったことを公表し、「身も心もボロボロでした」という告白が話題となった。
当時の集英社オンラインのインタビューに彼女はこう答えている。

ーー先日フジテレビを退社された渡邊さんですが、現在(2024年10月)はどのような状況なのでしょうか?

渡邊渚(以下、同) 「8月31日付けで退職し、現在はフリーの立場です。アナウンサーの仕事に固執しているわけではないので、いろいろなことにチャレンジしていければと。

昨年6月に、PTSDを発症してしまったんです。PTSDは生命が脅かされるような出来事がきっかけで起こるものなので、原因については詳しくお話しできないのですが……。」

渡邊渚さん
渡邊渚さん

ーー髪の毛も短くされたりと、SNSでは重病なのではないかと憶測が飛び交っていましたが、そうではないと。

「はい、もちろん身体にも影響は現れていたのですが、どちらかというと精神面の疾患でした。

当時はいくつかの診療科に通っていたのですが、一番長く休む原因となったのはPTSDでした。

PTSDの治療のために飲んでいた薬の影響で、一時期髪の毛が抜けてしまい、どうせ抜けるならと思い切って短くしたんです。現在は毛が抜けたりはないんですけどね」

ーー自ら病名を告白するのも、勇気が要りますよね。

「はい。会社としても私を守るためだったと思うのですが、会社の方針として、自分の病気に関して、公の場で話してはいけない決まりだったんですよ。

だから、SNSなどで私の病名についていろいろと話されているのも知っていましたし、早く公表してラクになりたいという気持ちもありました。

黙っていると、みなさんに対して嘘をついているような気がして…。でも会社に所属している以上、方針には従わないとな、と。

SNSで心ないコメントをいただくこともありましたし、話せないこと、そして理解してもらえないということは苦しかったですね」

ーーでは、今はすごくホッとした気分もあるのでは?

「おっしゃるとおりで、自由に発言できるようになって、ホッとしています」

こうしたコメントからも渡邊さんがPTSDを発症したつらさ、さらには、勤務先だったフジテレビとの兼ね合いで思うように発言することもままならず、それがまた大きなストレスになっていたことがうかがえる。

実際、渡邊さんがPTSDと向き合い、活動を再開できるまでには、壮絶な日々を送っていた。