キーパーツは胸にある日輪マークと気づいたジェロニモは…
時は、黄金のマスクを巡る正義超人VS悪魔超人の大抗争に遡る。ウォーズマンの体内にある五重のリングに、悪魔超人最高幹部衆である悪魔六騎士の大トリ〝砂地獄の番人〟として登場したのがサンシャインだ。相対するは、人間であることを隠して参戦した正義陣営のルーキー・ジェロニモ。闘いはサンシャインが終始ジェロニモを圧倒した。
アシュラマンの婚約をスクープしたこともある肉刊スポーツのエース記者が語る。
「実力差は歴然。サンシャインも食い足りなさを感じているようでした。しかし、超人に憧れる人間に過ぎないジェロニモは、フィジカルの脆さを不屈の根性でカバー。瀕死になりながらも、サンシャインの砂ボティを制御するキーパーツが胸にある日輪マークと気づき、それを奪うと、米オクラホマ州チェロキー族の秘技『アパッチのおたけび』を浴びせます。キーパーツを外され、砂の結合力を失ったサンシャインの体は、大音量の震動と衝撃波で崩壊。ジェロニモが大金星を挙げたのです」
勝負の後、ジェロニモはキン肉マンたちが分け与えた超人パワーで回復できず、「だってオラは人間だから…」と涙ながらに自白。世間に衝撃を与えた。
かたや、屈辱に塗れたサンシャインは、すぐさま肉体改造に着手する。上半身はひと回り大きくなり、砂の大胸筋がより分厚くシャープに。両肩も隆々にビルドアップし、弱点のキーパーツを内蔵していた胸の日輪マークの奥には、凶悪な〝呪いのローラー〟を仕込んだ。
雪辱のチャンスは約1年後に訪れる。
富士山麓で開催された宇宙超人タッグ・トーナメント。当日に乱入したアシュラマンとサンシャインの「はぐれ悪魔超人コンビ」は、カナディアンマンとスペシャルマンの「ビッグ・ボンバーズ」を蹴散らし、彼らの枠に割り込んだ。そして一回戦の第4試合で、テリーマンとジェロニモの「ニュー・マシンガンズ」と激突したのだ。
アメリカ超人界の重鎮ゴッド・フォン・エリック氏が語る。
「サンシャイン戦後、戦闘不能な状態になっていたジェロニモは、テリーマンとチェロキー族シャイアン族長の計らいで、超人の神が用意したスーパーマン・ロードの試練に挑戦。これを見事クリアして、悲願の超人に転生した。タッグ・トーナメント当初は、超人パワーを持て余し、体に触れたファンのチビッ子を張り飛ばすほどピリピリしていた」