「図書館建設予定地には源泉があるので温浴施設をつくる」

「7月中には辞職したい」と何度も口にしていた田久保市長は7月31日夜に開いた記者会見で「わたくしの公約でもあります新図書館建設計画の中止、そして伊豆高原メガソーラー計画の白紙撤回という、これは私にに与えられた使命、改めてその使命を全身全霊を傾けて実現してまいりたい」と言って、辞職の約束を破棄した。

そしてその“使命”の達成がいかに困難かも強調してみせた。

「現在、メガソーラー計画も新図書館建設計画も水面下で激しく動いております。わたくしたちの大切な財産である伊豆高原の美しい自然、そして山々の森が破壊され、ソーラーパネルで埋め尽くされてしまうといったことから最後までこの地域を守り抜くこと、そして、この唯一無二の宝物のような海が次の世代へと受け継がれていくこと、このことだけは何があっても私はあきらめるわけにはいかない。

そして、就任後1度は達成できたはずの伊東市の新図書館建設事業(の中止)も、今着々と復活の兆しを見せております」(田久保市長)

7月31日、記者会見する田久保眞紀市長(撮影/集英社オンライン)
7月31日、記者会見する田久保眞紀市長(撮影/集英社オンライン)
すべての画像を見る

だが、会見直後からこの説明には無理があるとの指摘が噴出した。

「新図書館建設計画は5月の市長選を争った前市長が進めた総工費42億円といわれる事業で、田久保市長はこの白紙化を公約に掲げました。そして当選翌日には市長は入札手続きを停止しています。ただ、これはいくら公約とはいえかなり問題がある行動で、今その手続きが妥当なのか市議会が調べています。

というのも、この計画は国土交通省の補助金を受ける地域の整備事業の一環で、周辺の商店街の整備事業などにも紐づいてきます。だからいきなり止めると周辺の事業もできなくなる恐れがあるのです。

ところが市長は、図書館建設予定地に『(温浴施設をつくる)可能性を探らせていただいています』と7月上旬の市民との対話集会で発言し、市民から『ハコモノ政治に回帰するのか』との質問を浴びています。“水面下で激しく動いている”のは自分じゃないかという話です」(市関係者)

伊東市役所(撮影/集英社オンライン)
伊東市役所(撮影/集英社オンライン)