「スピンオフの巻」(ジャンプ・コミックス第164巻収録)

今回は、両さんが急病のために『こち亀』に登場しないという、飛びきりの異色作をお届けする。

『こち亀』は、40年間一度も休載することなく週刊連載を続けたという前人未到の記録を持つ作品だ。

「作者急病のため作品を休載」ならともかく、「主人公急病のため作品を病欠」するのは、極めて異例のことだ。そして休載でなく、「他の登場人物が主人公になってしのぐ」という発想が、いかにも『こち亀』らしい。

まずは部長、中川、麗子らが主人公となって奮戦する様子をお楽しみいただきたい。

本作中で、お色気路線で支持を得ようとするくだりがあり、麗子やマリアらの入浴シーンが挿入される。その際に「湯けむり ©To LOVEる -とらぶる-」という注釈が添えられているのだが、これはお色気たっぷりなラブコメ漫画『To LOVEる -とらぶる-』(作:矢吹健太朗)で、際どい絵がしばしば不自然に発生する湯けむりでマスキングされていたことをパロディー化したお遊びだ。

なお、矢吹健太朗先生は『こち亀』作者の秋本治先生ととても仲がよく、2016年に発行された『こち亀ジャンプ』で、『こち亀』の短編漫画を描きおろしている。作中では両さんがラッキースケベな「とらぶる」に見舞われているのだが……。コミックスへの収録が待たれる一作だ。

本作のひとコマをチラ見せ! これが「湯けむり ©To LOVEる-とらぶる-」だっ!
本作のひとコマをチラ見せ! これが「湯けむり ©To LOVEる-とらぶる-」だっ!

それでは次のページから、両さんが急病により登場しないという不測の事態を迎えた『こち亀』きっての異色作をお楽しみください!!