「ネットを利用して自分の考え方をアピールしたら勝てる年になった」

さらに立花氏は、来年1月に行なわれる兵庫県南あわじ市長選にも出馬すると言明。同市の市長は、兵庫県知事選の終盤に斎藤氏の対立候補を支持すると共同で表明した22市長の一人で、22人の中で最も早く改選を迎えることから、立花氏は泉大津市長選出馬を表明する前から南あわじで選挙に出ると言ってきた経緯がある。

また、立花氏はここへきて、Xのアカウントの自己紹介欄に「次の立候補予定は2月27日千葉県知事」と記載。

さらに産経新聞の取材に対し、大阪府岸和田市の永野耕平市長が知人女性から性暴力被害を訴えられ500万円の解決金を払った問題に絡み、永野氏が市議会の不信任決議案可決で失職した場合は「岸和田市長選に出馬する」と発言。「永野市長を応援するための『二馬力』の出馬になる」とも述べた。

火が点いた感のある立花氏の出馬意欲。その背景には供託金没収を免れたことへの自信が垣間見える。

「(得票を)17パーセント取ると供託金が返ってくるだけでなくポスター代や選挙カー、チラシ代といったものが税金で賄われますので、これはこれでいいんですよ。選挙が一番PRとしてお金がかからないのでこれからも選挙には出続けます」(立花氏)

市長選告示日「今の選挙で一番大事なのは何か」と聞かれた立花氏は、今年は大変動が起きたとの分析を開陳していた。

「これまでの選挙は馬に乗って刀で闘う選挙やった。これからは鉄砲。今までは地域の人と密に連携をとらないと勝てない時代だったんです。ところが今年になって一気に、インターネットを利用して自分の考え方をアピールしたら勝てる年になった」(立花氏)

兵庫県知事選ポスターの掲示板。左下が立花孝志候補のポスター(撮影/集英社オンライン)
兵庫県知事選ポスターの掲示板。左下が立花孝志候補のポスター(撮影/集英社オンライン)
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2025年には選挙でのネットの影響力がさらに拡大することを期待する立花氏。しかしそんな彼のもとに、動画公開から12時間ほど経った16日午前、兵庫県警から電話がかかってきたという。

「午前10時35分です。先ほど兵庫県の警察本部から電話がありまして、捜査二課からの電話です。僕の予想通り、立花が奥谷さんに対して名誉棄損したことについて事情聴取をしたいという電話がありましたので。12月22日1時にですね、兵庫県の県警のほうに行ってまいります」(立花氏の16日のYouTube発言)

奥谷氏とは、斎藤氏の疑惑を調べる兵庫県議会調査特別委員会(百条委)の委員長を務める奥谷謙一県議のことだ。

立花氏は選挙期間中、奥谷氏の自宅前で街頭演説を行ない、この際「家から出てこいよ」「これ以上脅して奥谷が自死しても困るのでこれくらいにしておく」という趣旨の発言をしたとして、奥谷氏は脅迫罪にもあたるとして立花氏を刑事告訴している。

候補者でいる間の表立った調べは難しいとみた兵庫県警は、選挙で落選した瞬間をとらえて立花氏に聴取を求めたのか。年末にかけ、知事選の余波も大きくなる一方だ。                     

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 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班