オープンチャットで練られていた印象操作作戦

この巨大オープンチャットでは、

「さいとうさんを支持する人は優しい。さいとうさんを糾弾する人はとんでもなく攻撃的で怖い・・・。このイメージ戦略いけるかと思います」

「連合赤軍のあさま山荘事件の警察が鉄球でアジトを破壊する動画を引き合いに出して稲村派=過激な左派系団体が取り巻きというイメージ戦略で、動画作成の中で引き合いに出してみます」

「話す分でしたら、『らしいですよ』を最後に加えて、盛りに盛った左派系だという話もありかもしれません。」

選挙戦初日の10月31日、最初の演説会場で多くの支持者に囲まれる斎藤元彦氏。この直後、同じ場所で立花孝志氏が演説した(撮影/集英社オンライン)
選挙戦初日の10月31日、最初の演説会場で多くの支持者に囲まれる斎藤元彦氏。この直後、同じ場所で立花孝志氏が演説した(撮影/集英社オンライン)

といった会話が飛び交っていた。斎藤氏のイメージを上げながら稲村氏を過激な「左派」と印象づけるアイデアが交換されていたと言ってもいい。また、斎藤氏を応援する動画の拡散を求める書き込みも多い。

さらに目を引くのが斎藤氏を応援するとして出馬した立花孝志氏に関する書き込みだ。

立花氏は斎藤氏の街頭演説の直前や直後に同じ場所で演説することを繰り返した。演説では、斎藤氏の疑惑をメディアなどに告発した後に亡くなった元西播磨県民局長・Aさん(60)が県幹部に押収された県公用パソコンにあった私的文書の“中身”だというものを口にし、メディアと県議会はこれを隠しながら斎藤氏を陥れたと主張。これが斎藤氏の支持拡大につながったと関係者は話す。#14

立花氏こについてのチャットでは礼賛一色で、「立花さんありがとうございます!立花さんがいてくれてよかった」「斎藤さんの為に出馬&暴露下さってますから…細かい不満は、良しとしましょ!こんな事してくれる方は他に居ないのですから」といった書き込みが複数見られる。

選挙戦初日の10月31日、斎藤元彦氏の第一声の演説会場に斎藤氏より先に到着した立花孝志氏(撮影/集英社オンライン)
選挙戦初日の10月31日、斎藤元彦氏の第一声の演説会場に斎藤氏より先に到着した立花孝志氏(撮影/集英社オンライン)

それだけではない。選挙戦初日の10月31日には「立花さんの(ポスター)を貼りまくります!」「ひとまず立花さんのポスター貼っておきます」と、斎藤氏の支持者が立花氏のポスター貼りに協力したとの報告が相次いだ。

だが、斎藤氏の支持者が立花氏のポスターをどうやって手に入れ貼ったのか。その理由をうかがわせる同一人物による連投が11月6日にあった。

「立花さんポスター第二弾について NHK等(ママ)に問い合わせしました。第二弾は明日11/7から配られるそうです。(明日からまた選挙区入られるとのことです。)さいとうさんのあと回られるんじゃないかと言うことです。そこでもらうことができます。」

「来られない方は、070-●●●●-●●●●へ(NHK党のポスター関係者)メッセージにて、下記の(住所などの)情報お送りいただければご郵送いたします。」

「第一弾以上に盛り上げて行こうじゃありませんか?」