「電話恐怖症」とは何か
「電話恐怖症(テレフォビア)」という正式な病名はまだありません。病名ではなく、状態とか傾向と理解していただければいいでしょう。
ではその状態はどういうものかというと、電話に出ることやかけることに嫌悪感や不安感があり、心身に症状があらわれるものをいいます。
身体症状としては、手に汗をかいたり、動悸や息切れが激しくなったり、吐き気がする、口が乾く、震えが出るなどがあります。心理的な症状では、不安になったり、焦り、恐怖心がつのったりするといったことがあげられます。
それが病的であるかどうかは、社会生活がスムーズに行えるかどうかで判断します。それこそ会社をやめなければならないとか、家から出られないほどのものだと、病的な部類に入ると思います。
先のBBC Science Focusの記事では、アメリカで何らかの社交不安を抱える人が1500万人くらいいるともあったように、電話恐怖症も社交不安のひとつでしょう。
電話恐怖症も含めて、病的な社交不安を持つ人は他人からネガティブな評価を受けたり、批判されたりするのを極度におそれる特徴があります。
そのため、人と対面したときに緊張してうまく話せなくなり、その失敗がまた起きるのではないかと不安になります。
するとまだ不安が起きる前から、原因となる対人関係や社会的な場面を回避するようになるのです。この図式を電話恐怖症に当てはめるとこうなります。
電話をかけたり受けたりしたときに、緊張し、不安になる
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うまくいかない応対が相手にどう思われるか。また、周りからどう評価されるかを気にする
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自己嫌悪におちいる。場合によっては周りから指摘を受ける
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また同じことが起きるのではないかという予期不安が起きる
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電話をかけたり、受けたりする場面から逃げようとする
電話恐怖症の後ろには、人からどう見えるかを気にする社会的な不安があるのです。