今年9月末に刊行されたレシピ本「すべてを蒸したい せいろレシピ」(りよ子・著)と、11月末に刊行された「一汁三菜 おぼん献立」(Hideka・著)。
前者はすでに累計発行部数7万部(2024年11月20日時点)を突破し、日本中に「せいろ」ブームを巻き起こしており、一方、後者は発売前の重版決定と「おぼん」ブームが兆しをみせている。
レシピ本を買うと「よし、やるぞ」って気合いが入る
――Hidekaさんは27歳、りよ子さんは28歳と同世代です。今年、初のレシピ本を刊行することとなったわけですが、そもそもおふたりは料理にまつわる情報はどのようなところから収集しているのでしょうか。
Hideka 料理を始めたころ、まずはレシピサイトの「クックパッド」から入りました。冷蔵庫にある食材名で検索してレシピを探すという使い方です。その後、料理動画サービス「DELISH KITCHEN」を使うようになりました。動画付きでわかりやすいので、いまもよく見ますね。
りよ子 私はHidekaさんとは反対で、作りたい料理から検索して、必要な食材を買いに行くというスタイルです。卵が入った肉巻きおにぎりが流行っていたときにInstagramで見かけて、「面白そう!」と思って作りました。レシピを見て、それを自分の手で再現するのが楽しいし、達成感も感じられるんです。
Hideka 私もおいしそうな料理を見て作りたくなることはありますね! 料理本とは少し異なりますが、「からだにおいしい野菜の便利帳」(高橋書店・刊)っていう栄養素などの情報がまとまった本を買って、勉強しています。
――調べれば情報を集められるなか、あえて本という形を選んだのはなぜでしょう?
Hideka インターネット上にはいろんな情報がありますが、やっぱり本のほうが信用できる気がします。あと、情報が1冊にまとまっているので、これさえ全部覚えればいいかなっていう安心感もありますね。網羅されている感じというのでしょうか。
りよ子 私は、たまにお菓子作りの本を買うことがあり、米粉のお菓子の本などを持っています。グルテンフリーが流行っていたときに私もハマっていたんですが、卵も小麦粉も牛乳も使わないお菓子の情報って、ネットで調べても出てこなくて。本なら付箋を貼ってキッチンに置いておけばパッと開けるので、そういった点も便利です。
Hideka あとは、憧れのインフルエンサーさんの本を買うこともあります。持っているだけでうれしい気分になるし、それを読むと自分も頑張ろうって思えます。周りの友人を見ていると、同棲や結婚を機に、「料理を頑張ろう!」っていう気持ちで買うという子はいる印象です。
りよ子 私もそれはあります。買い揃えると「よし、やるぞ」って気合いが入るので。
Hideka 今回私の本を予約してくれたフォロワーさんから、「初めての料理本です」っていうコメントをいただくことがけっこうあって、みんなどこかで頑張るきっかけが欲しかったのかもしれないなって感じました。私の本がそのきっかけになったっていうのは本当に嬉しいです。
りよ子 本を買ってくださった方から、「家族で楽しんでいます」っていうコメントをいただくことがけっこうあって意外でした。「本を開きながら家族から『これ作って』って言われたので作りました」って。家族のコミュニケーションツールにしていただけるのは予想外でした。ほかには、「この本の料理を作るためにせいろを買いました」という方も。「せいろの本は、中華料理を紹介するものが多いなか、これは日常使いしやすいです」って言っていただけることもあります。