「制限する」から「摂り入れる」へ
「健康のためにダイエットしなくちゃ」とよく耳にする。この場合のダイエットには「制限」というニュアンスが込められている。特に食べ物については「食べたいものを我慢する」ことで肥満から脱出しようとするのが一般的だ。
しかし、ダイエットの本来の意味は異なる。この言葉の起源はギリシャ語の「diaita」。これは英語で、
Way of Life
「生き方」という意味だ。食べ方であり、生活習慣であり、自分の養い方でもある。ところが、現代のダイエットの概念は禁止、フラストレーション、苦痛、飢餓、体重減、おいしくないご飯などのネガティブな意味合いが強い。そして何より「制限」を想起させる。
これでは「なりたくない。やりたくない」のアンウェルカム・ループからの脱却はできない。では、どうすれば「なりたい。やりたい」のウェルカム・ループを作ることができるのか。
そのためには「制限する」というマイナス方向ではなく、「摂り入れる」というプラス方向に向かうことだ。何を摂り入れるかというと、「栄養」だ。
ジャーナリストでカリフォルニア大学教授のマイケル・ポーランの『The Omnivore's Dilemma(雑食動物のジレンマ)』という著書は、ニューヨーク・タイムズ・ブックレビュー誌が選ぶ年間ベスト10冊に選ばれたこともある名著だ。マイケル・ポーランは、ウェルネスへの道として著書の中でこう書いている。