ベテランが抜けた党内に不安も
そんな「ナルシシストなお山の大将」が空前のモテ期を迎えたわけだが、足元は盤石とは言いがたい。
昨年は、玉木氏と代表選で戦った前原誠司氏ら4人が離党。前原氏らは、玉木氏の政府・与党への協力姿勢に不満をもっていた。
そして、今年に入っても元日銀職員の大塚耕平代表代行(当時)が来春の名古屋市長選出馬に向けて離党する意向を表明。元財務官僚の岸本周平氏も2022年に和歌山県知事に転出した。
最近まで支持率が1%ほどで低迷していた党の現状をみて、国民民主の国会議員でいることに限界を感じていたと永田町ではささやかれている。
こうして有力なベテラン・重鎮が相次いで離党したうえ、玉木氏自身も予想していなかった大躍進を遂げたことで、現在の党所属議員には新人も多く名を連ねるようになった。
「めぼしい有力議員がいないため、衆院選で党勢を拡大させた玉木氏の『一強』は続く一方、経済政策の打ち出しには不安が出てきます。
そもそも、今回の『103万円の壁』引き上げも、党学生部の提言をすぐに取り入れたもの。現場の声を反映させたと言えば聞こえはいいですが、いざ政策実現となると財源などが問題となっています。
キャスティングボートを握ると注目度も高まり、これまでの内輪ノリも通用しません。ここからが正念場です」(野党関係者)
今や石破茂首相よりも注目されている玉木氏の「モテ期」はいつまで続くか。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班