ジャニーズ時代の伝統を打ち破る〝画期的〟な部分とは

『タイプロ』の始動が発表されたのは、新グループ名が公開された今年4月1日の生配信でのこと。その後には、『timelesz』のメンバー3人(菊池風磨、佐藤勝利、松島聡)が自ら候補生と対峙し、書類選考の段階から審査員を務めることも明らかとなった。

しかし、発表直後にファンから上がったのは、伝統から外れることに対する批判の声だった。というのも、かつて所属していた『ジャニーズ事務所』では、デビュー後のグループが様々な事情で人数が減ったとしても、増員されることなどこれまで一度もなかったからだ。

『モーニング娘。’24』や『AKB48』など、大所帯の女性アイドルグループでは、メンバーの卒業・加入を繰り返しながら活動するケースが珍しくない。

一方、かつての『ジャニーズ事務所』において、複数名の脱退を経験した『光GENJI』『KAT-TUN』『NEWS』『King & Prince』らは、残されたメンバーのみで活動を継続。増員を経験している『A.B.C-Z』『Snow Man』『Travis Japan』らも、新メンバーが加入したのはデビュー以前のことだ。

さらには、最初から“合格=デビュー”が確約されたオーディションは開催されたことがなく、事務所が『STARTO ENTERTAINMENT』に変わったことを踏まえても、『タイプロ』がいかに画期的であるかがわかる。

特に斬新かつ、ファンからの反対も大きかったのは、一般からも候補者を募集した点だ。

かつての事務所では、入所してからまず『ジャニーズJr.(現『ジュニア』)』として活動し、のちにデビューという育成システムが伝統的に採られていた。だが、『タイプロ』はこの前例を打ち破り、新メンバー候補者は『ジュニア』のほか一般人からも募集。その応募総数は、実に1万8922件にものぼっている。

新メンバーオーディションの審査に臨む『timelesz』の3人(『Netflix Japan』公式Xより、以下同)
新メンバーオーディションの審査に臨む『timelesz』の3人(『Netflix Japan』公式Xより、以下同)