預ける親でなく、預かる園側の問題?
一方、都内の保育園で園長を務めるサチコさん(仮名・55)は、こう語る。
「子どもを受け入れるガイドラインは、私立なら厚生労働省によって、区立なら区によって明確に定められています。うちは簡単にいうと『熱が出ていなくて、食事が食べられればOK』。発疹があっても受け入れますね。じくじくしていたら、その場所をガーゼで覆います」(サチコさん、以下同)
その際、園児を別室に隔離をする必要はあるのだろうか。
「いえ、いつも通りお部屋で遊ばせてあげます。集団行動がきつそうだったら、別室に移動して、看護師か保育者についていてもらいますよ」
今回の事件では「親は預けるべきではなかった」と、親の責任を問う声も多数あった。親は預けたいが、保育園は預かりたくない……こういったトラブルはよくあるのだろうか。
「ありがたいことに、ほとんどないです。入園のときにしっかり預かる条件を話しておけば、保護者も納得してくれますよ」
園長は今回の事件の原因は親ではなく「保育者の感染症への知識が浅かったせいでは」と推察する。
「30年近くこの園で働いてきましたが、職員に手足口病がうつることはほとんどなかったです。手洗いうがいを徹底していれば、だいぶ防げると思いますよ。福岡の保育園の報道を知ったときは保育者がうつされたくない一心で、段ボール隔離を選んだのでは、と感じました」