おじさんバンドに付き添ってなかなか帰れない

卒業シーズンの3月。
長い子は6年間の集大成となる保育園の卒園式。親にとっては小学生に上がる前の我が子の晴れ舞台だが、感傷に浸るのは親だけではない。ある保育士(30代女性)はいう。

「0歳から見ていたお子さんなので、卒園式ではグッときてしまって……ひとりでトイレに行けるようになって、お話もたくさんできるようになって、時にはお友達とケンカしたり、遠足での思い出などを振り返っていると本当に思い出いっぱいで涙が止まりませんでした」

〈感動の保育園卒園式の舞台ウラ〉「捨てられない」…保育士に大量に届く“名前入り湯呑み”や“手作り作品”。おじさんバンドと深夜まで練習のお付き合い…新卒採用学生は“新人研修”という名のお手伝い_1
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お世話をしていた園児が立派に挨拶をする姿を見れば、これまでの大変だった日々が報われたような気分となる。この場にいあわせるだけでも保育士冥利に尽きることだろう。

しかし、その裏側ではちょっとしたトラブルが起こることも。
九州の某保育園の園長(40代女性)が明かす。

「毎年、保護者会がサプライズで出し物をするんです。よくあるのがおじさんバンド。出演される親御さんは子ども達が帰った後に園舎に集まって練習をするんですが、戸締まりをしなくてはいけなくて……。盛り上げてくれるのはうれしいのですが、終わるまで私も帰れないのはちょっと辛いですね(苦笑)」。