指摘通りすべての品が斎藤知事の手元か胃袋に

百条委メンバーや傍聴者を怒らせたのは、タカリや贈答品の独り占めに関するアクロバティックな弁解だった。

百条委ではまず、約9700人の県の全職員をアンケートで挙げられた「知事がいただいていったモノ」に関し、本当にもらったのかどうか、品ごとに“罪状認否”が行われた。

ハンドメイドの椅子とサイドテーブル、姫路城のレゴブロック、スポーツシューズ、兵庫海苔、明石海苔、播州織りの浴衣、ジャケット、ネクタイ、スポーツウェア、バスケ・サッカー・ラグビー・バレーボールのユニフォーム、ロードバイク、ヘルメット、サングラス、サイクルウェア、牡蠣、ワイン、枝豆、カニ、日本酒、ネギ、タマネギ、バースデーケーキ、湯飲みセット、革ジャン……

9月6日証人尋問を受ける斎藤知事(撮影/集英社オンライン)
9月6日証人尋問を受ける斎藤知事(撮影/集英社オンライン)
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やり取りはうんざりするほど長く続いたが、斎藤知事が「そんなものはもらっていない」と言ったものはない。

知事応接室に飾ってあるものや、今回の問題発覚後に相手方と「貸与契約書」を急ぎ作った上で返却したもの、返せと言われて応じたらしいものも含めると、これらすべての品が指摘通り斎藤知事の手元か胃袋に入っていたことを本人が確認した。

もらったものがどれだけあるのか、実はわかっていない。百条委の求めで秘書課が提出した贈答品リストには「137品」が記載されている。だがここには載っていない品も知事はゲットしている。

リストへの掲載基準を聞かれた知事は「物品性があるもので保存してるものは載ってるんだと思いますけど、例えば食べ物とか消費するもので、出先に行った時にもらって、それをいただいて家に直接持って帰ったりとかいうことは、生ものですから(載っていない)」というのだ。

県職員のアンケートでは「冬の但馬へ出張に行ったときカニをお土産に用意されたようだが、随行者が受け取りをお断りしたら、断った随行者の分も含めて、知事が独り占めして持って帰ったと聞いた」との回答があった。(♯12