▶【前編】未来を見つめるかんぽ生命のアスリート愛。車いすテニスのジュニアを支援 を読む
パラスポーツの価値はメダルに限らない
株式会社かんぽ生命保険(以下、かんぽ生命)が車いすテニス選手の育成強化に繋がる実質的な支援を続ける一方で、試合結果やメダルばかりにパラスポーツの価値を見出しているわけではないという。
重視するのは長期的な視点に立った「ストーリー性のある支援」と、それによってもたらされる社内外への影響だ。例えば、かんぽ生命は大会や体験会などのイベントを開催するだけでなく、選手を社員として採用し仲間に迎え応援している。2020年4月、同社初のアスリート社員として入社した大谷桃子がその一人。
女子車いすテニス選手の大谷は高校時代、テニスでインターハイに出場したが卒業後まもなく、病気で車いす生活を余儀なくされた。だが、父親の勧めで2016年に始めた車いすテニスで頭角を現し、わずか2年後の2018年アジアパラ競技大会シングルスで銅メダルを獲得。
その後も日本代表として成長を遂げ、2020年に初出場したグランドスラムの全仏オープンで女子シングルス準優勝。翌年の東京2020パラリンピックではトッププレーヤーの上地結衣とのダブルスで銅メダルに輝いた。
また、2022年4月から同社所属の髙野頌吾は現在大学3年生の男子車いすテニス選手。6歳の時に新型インフルエンザの合併症で車いす生活となり、その頃、テニス界のレジェンドである国枝慎吾さんのプレーに感化され車いすテニスを始めた。
ジュニア時代から活躍する髙野は国別対抗戦「2021BNPパリバ・ワールドチームカップ」で、国枝の後継者として脚光を浴びる小田凱人らとともに金メダルを獲得しているが、目指してきたパリパラリンピック代表には届かなかった。それでも、かんぽ生命のサポート体制は変わらないとサステナビリティ推進部部長の浅倉哲也さん。
「夢に向かって自分らしく挑戦を続ける大谷選手や髙野選手を応援することで社内が盛り上がり、日の丸をつけて戦う2人を誇りに思うといった社員の声もあります。また、ダイバーシティの意識も社内に浸透していると感じます。お客さまにもパラアスリートの活躍を知っていただくことでパラスポーツに興味を持ってもらえて、当社の取り組みと理念に共感していただけていると実感しています」