朝練の必要性をめぐって議論に

先月下旬、中国新聞に寄せられた40代主婦の相談が注目を集めた。

〈「中学1年生になった子どもが部活動を始め、毎日30分ほど朝練があります。子どもは『給食までにおなかがすいてしんどい』と言っているし、睡眠不足や疲れが心配です。冬は薄暗い時間に登校するため、防犯面や寒さも気になります。学校の他の部でも朝練があるようですが、授業に集中できないのではないでしょうか。中学生の朝練が必要かどうか皆さんの意見を聞いてみたいです。他の中学校の様子も教えてもらえませんか」〉(山口県岩国市の40代主婦・『中国新聞』2024年7月21日「よろず相談室」より)

相談主は親として子どもの睡眠不足や疲れなどが気がかりで、子ども本人も朝練後は給食までもたず〈お腹がすいてつらい〉と漏らしており、授業への影響も心配しているという。この相談をきっかけに、SNSでは部活の朝練をめぐり、さまざまな意見が上がっていった。

〈毎日短時間でもコツコツと努力を重ねることは大切だと思う〉
〈規則正しい生活をさせるなら逆効果〉
〈先生と生徒、保護者双方の負担を考えたらいい加減に中学生の部活動は完全に廃止したほうがいい〉
〈3年で人より部活動を上手くなろうと思ったら、寝る間を惜しんで練習しなければ無理〉
〈中学生の頃から思っていた。私はこれがイヤで部活にすぐに行かなくなった〉


こうした投稿の数々は、主に子を持つ親や子育て経験者、かつて部活に打ち込んだ人々の間で賛否両論を呼び、朝練の是非が問われている。そんな中、自身の経験から朝練に理解を示すのは、30代女性のAさんだ。Aさんは中高の6年間、公立校で女子バレーボール部に所属し、朝練や合宿など厳しい練習に耐えたことを糧としている。

写真はイメージです
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 「当時はキツかったし、『強豪校でもないのに…』と疑問に思うこともありましたが、今振り返れば朝練は経験してよかったんじゃないかなと思います。中高の6年間、週2~3回朝練をしていましたが、ここで早起きの習慣が叩き込まれたことで、社会人になっても適応できた気がします(笑)。

同僚には仕事や毎朝の満員電車がつらいという人もいましたが、私がそれらに耐えられたのは、朝練をはじめとする部活で、精神面もタフになれたこともあるのかなと。現在は子育てに専念し、こちらも本当に大変でつらい日々ですが、部活を経験していなかったらもっとつらく感じていたかもしれません」(Aさん)