夏に祭りをすることはもう無理なのだろうか…

直前の決定ではなく、数か月前から酷暑を理由にイベントを中止していた桐生八木節まつり。今年で61回目の開催となる伝統ある祭りなのだが、もはや夏の開催は限界なのだろうか。

担当者は開催時期の変更案について、「そういったことを検討していく必要性があると、こちらの方でも考えております。他のお祭りをみても、実際に日程変更をしているところが結構ありますので……」と打ち明けた。

そして今年、おそらく最も多くの夏祭りを中止に追い込んだ原因が、「ゲリラ豪雨」だ。

開始20分前に、大雨のために中止が発表された東京・足立区の花火大会が話題になったが、8月4日には大阪府摂津市の摂津まつりも大雨・落雷のため中止に。

SNSを見るとそのほかにも〈職場の近所の盆踊り、大雨で中止になっとるやん〉〈始まったと思った夏祭りが雷の音と雨で中止になり、現地で友達と会う予定だった息子が半泣きでした〉〈土曜に地元の祭りにでる予定だったんだけど雨で中止なった〉〈地元の祭り来たけど雨で中止になったからりんご飴だけ食って帰る〉など、小さな町内の夏祭りイベントなどが、ゲリラ豪雨によって続々と中止に追い込まれていることが確認できた。

ゲリラ豪雨のイメージ。写真/Shutterstock
ゲリラ豪雨のイメージ。写真/Shutterstock
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ゲリラ豪雨は、一般的に気温が高くなるほど発生しやすいと言われており、記録的猛暑の今年の発生回数は特に顕著だ。

気象庁がWEBサイトで発表している「大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化」によると、1時間降水量80mm以上、3時間降水量150mm以上、日降水量300mm以上など強度の強い雨は、1980年頃と比較して、おおむね2倍程度に頻度が増加している。これは地球温暖化が関係している可能性もあるという。

伝統を守ることはもちろん大事だが、その時に応じた柔軟な対応をしていくことが、これからのカギとなりそうだ。

取材・文/集英社オンライン編集部