ちょっと前までは朝起きたらお金が増えていたのに

年収は1000万円で運用資金は約3000万円という、投資歴10年以上のAさんは大幅な株価下落に肩を落とす。

「朝起きてスマホでチャートを見るのが日課なのですが8月5日についてはチャートを開いた瞬間にゾクッとしましたよね。ちょっと前までは朝起きてスマホを開けばお金が増えていて上機嫌で仕事に行っていたんですけどね……。個別銘柄の損益は前日比でマイナス500万円以上です。正直、仕事する気分じゃないです」(50代・男性・会社員)

やはりショックを受けている人は多いようだ。別の20代会社員も語る。

「友達にやった方がいいと言われて新NISAを利用して2ヵ月前から始めてみました。今日暴落、暴落ってやたら携帯にニュースがくるんで軽く見てましたが日本のせいでもあるんですよね? それ見た時はなんなんだよと思いました」(23歳・会社員・男性)

「今年の初めから新NISAを使って毎月1万円の投資をしています。ただ、損していると言っても実際は大した金額ではないんですよ。僕は投資とかしたことなかったんで国がいいと言うからなんとなくやってみようかなって感じで投資を始めました。だから投資の良さって言うのがまだわからないからかもですが、これやっててほんと大丈夫かよって思っています」(20代・カラオケ店アルバイト・男性)

やはりこの暴落に肩を落としたり、国に不満を持つ人はいた。しかし、取材をしてみて一番多かった声は、“長期投資なので、短期的な下落は気にならない”という冷静な声だ。

「NISAやっていますよ。貯金のつもりでやっているので、今回の暴落で何か思う事はありませんね。ドルコスト平均法という少しずつ積み立てていく投資法なので、いい時も悪い時もあると思っていますから」(29歳・会社員・男性)

「もともと銀行に勤めていたというのもあり、自社の商品に投資するというのがきっかけで投資を始めて4年目になります。いまはS&P500(米国株インデックス)などに投資しています。僕自身は今回の暴落については何も思わないというか、もともと長期投資ですし暴落を受けてもだいたい30万円くらいは利益が出ています」(26歳・会社員・男性)

実は国がNISAで推奨しているのは、積み立てによる長期投資である。“つみたて投資枠”の投資対象には、アメリカのS&Pや日経平均などの株価指数に連動する投資信託が多くラインナップされている。

この指数(インデックス)は短期的には上下するものの、過去のデータを見る限りではあるが、長期的には右肩上がりになっており、利益を出すことができると言われている。

もちろん、未来は誰にも予測できないが、“長期投資をしてほしい”という国のメッセージは投資初心者にもある程度伝わっているようだ。

国が勧めているのは長期・積立投資(金融庁HPより)
国が勧めているのは長期・積立投資(金融庁HPより)

一方、投資歴10年以上の猛者たちは今回の暴落についてどんな考察をしているのだろうか。