優勝祝賀パレード“資金調達”担当のBさんは心を病んで休職し…
斎藤知事が説明した「ありもしないことを並べたと本人も認めている」「不満があるから」との核心の供述は、斎藤氏がでっち上げたか、片山副知事が虚偽を報告していた疑いがあるというわけだ。
「すぐ激高する斎藤知事を周りが押さえられず、記者会見で口走ったのだと思います。(斎藤知事が)告発文を目にした時にものすごく怒った、と伝わってきていますから。Aさんは曲がったことが嫌いな男で、告発の信ぴょう性は高く、嘘ではないと思います。痛いところ突かれて怒る人はいます。知事が怒ったのは、まさしくそのパターンだと思います」(県OB)
「公益通報」を人事処罰で封じ込めたかに見えた斎藤県政だったが、丸尾牧県議が5月に県職員を対象に独自に実施したアンケートの結果を公表したことで流れが変わった。ここには知事のパワハラや、企業などから知事ら県幹部への贈答品に関する証言もあったという。
こうしてAさんの告発は「嘘八百」ではないと見られ、県議会で地方自治法100条に基づく調査特別委員会である百条委員会の設置につながる。しかしここでもAさんを封じ込めようとする動きが露骨になる。
「Aさんは県に『パソコンも洗いざらい持って行かれた』と話していました。百条委では前の知事選で自民党と共に斎藤知事を推薦した兵庫維新の会の県議らが、パソコンに入っていたプライベートなデータも全部開示せよと求めました。Aさんはこれを相当気にして、何とか回避できないか周囲に相談していました」(Aさんの知人)
Aさんが開示を食い止めようとしたのは、告発文書の根拠になった情報を後輩らが寄せたメールがパソコンに残っていたからではないかと県関係者は推測する。
実は、阪神・オリックスの優勝祝賀パレードに絡む“資金調達”の担当となった県幹部Bさんは心を病んで休職し、告発文書が出た後の4月に自殺とみられる急死をしている。これがAさんの心配の背景にあった可能性があるというのだ。
「Aさんは、自分の告発が(Bさんの死の)きっかけにある程度なったんじゃないかなと思ったんじゃないでしょうか。これ以上被害者を増やせないという思いが、どこか片隅にあったんとちがうかな、と思いますね」(前同)