「なんでもベスト3」をつくっておく

話せる話題を広げるには、どの領域においても「おすすめ」を3つくらいつくっておくとよいでしょう。私はこれを「なんでもベスト3」と呼んでいます。

自分が興味のある分野や、よく知っている分野について、あらかじめ「ベスト3」をつくっておきます。

どんなジャンルでも結構です。

たとえば「マクドナルドのメニューベスト3」「好きなポケモンのキャラベスト3」など。音楽に詳しいなら「ショパンのピアノ曲のベスト3」「歴代の優れたドラマーベスト3」など、特定のジャンルの限られた領域のベスト3でもいいでしょう。

また、話題を広げたいのであれば、あえて自分があまり知らないジャンルについて「ベスト3」をつくることに挑戦してもよいと思います。

あまり洋楽を聴かないのであれば、あえて「自分の好きな洋楽ベスト3」を見つけてみる。ユーチューブで少し探せば、すぐつくれます。

今まで洋楽について振られて、「いや、知らなくて」と返事をしていた人も、「最近、聴いたのですが、◎◎というバンドがいいですね」と話せると、それだけで会話ができる人が増えていきますね。

イメージです
イメージです

1つはひねったものを入れる

「ベスト3」を出していくと、自分の中の価値判断の基準がわかってきます。

私は以前、ゲストで呼ばれたラジオ番組の企画で「松田聖子さんの曲のベスト10を出してください」と依頼されたことがあります。選んだ曲を番組でかけてくれると言うのです。

これを考えるのは、結構楽しかったですね。「第何位から考えようか、みんなが知っている曲ばかりだと少し意外性がないかな」などと考える時間は、聖子さんの曲に対する自分自身の捉え方を見直すことにもつながりました。結局第1位にはアルバム収録曲の「ハートをRock」を入れました。

ベスト1ではなく、ベスト3まで考えることで、「シングル曲以外のものを入れる」ような、ややひねったチョイスも加えることができます。

たとえば「好きなマンガ家ベスト3」を言うとき、「井上雄彦、尾田栄一郎、つげ義春」と答えると、「えっ、つげ義春?」と、少し面白味が出てきますよね。

誰もが知っているものに一般的ではないものを忍ばせる、というのも、情報提供の一つの技術。コミュニケーションでは「えっ?」と思わせることも必要なのです。

なお、相手におすすめの情報を聞いて紹介されたものは、素直にそれを試してみましょう。映画であれば、サブスクなりレンタルなりで観て、簡単にでも感想を伝えることで、次に相手と会話をする糸口ができます。

聞いておいて観ないというのは失礼ですし、誰かのおすすめを知ることで、自分の情報の幅も広がります。そうして「あの人はなんでもよく知っている」と思われると、会話の接点もまた広がるでしょう。