「給料を下げられそうな部下を守ろうとしてやったのかな」
栃木県警・警視庁合同捜査本部の調べやこれまでの取材で、関根容疑者と宝島さん夫妻の間には経営を巡って深刻なトラブルが発じ、それが4月15日に発生した事件の動機につながったとみられている。
従業員らは龍太郎さんを「パパ」、幸子さんを「ママ」と呼び慕っていた。関根容疑者も「セイハさん」と呼ばれ、その経営手腕は一目置かれていたという。
「事件前に従業員は全部で140人ほどいたんですが、今経営を続けている4店舗に残っているのは40人くらいです。そのほとんどが『セイハファミリー』というか誠端さん派の人間ですね。私は今でも誠端さんが犯人とは信じたくありませんが、起訴までされちゃいましたから。でも、真奈美さんは事件には関わってないと思っています」
関係者はこう切り出し、証言を続けた。
「ウチの系列店はよく『儲かっていた』と書かれていますが、実情はまったく違います。私らから見るとパパやママの仕事の仕方は邪道というか、接客として“終わって”いました。
キャッチの仕方も強引すぎるし、安さ至上主義で客単価や味、質も考えず、原価計算もせずにどんぶり勘定ですぐセールをしたりするんで、お客が入っていても大赤字の店がありました。そこを人件費を削ることで帳尻合わせようとしたので、誠端さんは従業員を守ろうと戦ってきた。
事件後によく報じられた“経営のトラブル”の中身は、本当はそういうところだと思います。誠端さんは常連客を大事にするために、メニューの質にもこだわっていました」
再三にわたって報じられてきた客引きを巡るトラブルや、事件に至った動機についてはこう語った。
「近所の店とキャッチをめぐってトラブル起こした映像がニュースやワイドショーで出てましたけど、あれもイヤイヤなんですよ。
ママやパパに『イケ』と命令されると“またかよ”と思いながらも仕方なく出向いていくしかなかった。だから、仮に誠端さんが今回の事件に絡んでいるとしたら、いろいろ悩んだ末に、給料を下げられそうな部下を守ろうとしてやったのかな、とも考えてしまいますね」