事件のこれまでを振り返ると…

他に起訴されたのは犯行現場の空き家(品川区東品川)を管理していた不動産業の前田亮(36)、首謀者の関根被告から計画実行を依頼された指示役の佐々木光(28)、仲介役で犯行に使用した車を提供などした平山綾拳(25)、実行役として雇われた元子役俳優の若山耀人(20)と韓国籍の姜光紀(20)の5被告。

起訴状などによると7人は共謀して4月15日夜から同16日未明にかけ、宝島さん夫妻に睡眠薬を飲ませたうえで首を絞めるなどして殺害した。

事件は4月16日早朝、那須町伊王野の林道脇の河川敷で男女の遺体が燃えているのが見つかったことで発覚。2人とも両手を結束バンドで縛られ、頭部をビニール袋と粘着テープでぐるぐる巻きにされ、仰向けにX字に重ねられていた。

龍太郎さんの身元は当日に判明したが、幸子さんは顔面を鈍器ようなもので激しく殴打されてぐちゃぐちゃに骨折しており、身元判明まで一週間を要した。

〈那須2人殺害〉長女(31)もついに殺人罪で起訴「やましいことは何もしていない」「私の逮捕は見せしめだから…」と話していたが、計画には最初から関与か_1
すべての画像を見る

集英社オンラインは事件発生当日から総力取材を開始し、これまで多数の記事を掲載して事件をフォローしてきた。

事件解明に大きく寄与したのは、仲介役の平山被告だった。発生翌日の4月17日朝に犯行現場近くの警視庁大崎署五反田駅前交番に「事件に関係しているかもしれない」などと出頭し、合同捜査本部が設置されるきっかけとなった。

遺体運搬用の乗用車を提供したことなどを自供し、依頼を受けた「アニキ」と称する佐々木被告や、自身がスカウトしてきた実行役の飲み仲間である若山被告、姜被告の存在が次々に浮かび上がり、芋づる式に逮捕された。

サンエイ商事の幹部社員で宝島夫妻の番頭格だった関根被告の関与が決定的になり、懇意にしていた不動産業者の前田被告が犯行現場を提供していたことも判明。

さらに真奈美被告も一連の計画に当初から関わっていた可能性があり、一網打尽にされたという流れだった。

 結果的に両親が一代で築いた飲食チェーンを娘夫妻が乗っ取ろうとした挙句、殺害にまで至ったという鬼畜のような犯行だが、龍太郎さんと幸子さんは上野の繁華街でライバル店と激しい客引きを繰り返してトラブルを起こし、訴訟沙汰にまで発展していたことから、真奈美被告は当初の取材に「同業者に狙われたのかも」などと煙幕を張っていた。