弱者と自認する男性は1600万人

とはいえ、上から目線で勝手に「この条件があるから弱者男性だ」と決めつけるのも望ましくない。そこで、本書では別途15〜99歳の500名の男性へアンケート調査を実施し、男性の何%が「自分は弱者男性だ」と感じているかを確認した。

その結果、男性の約26.2%が自分を弱者だと認識しており、全国民に当てはめると約1600万人が該当することがわかった。推計値と矛盾しない結果である。人口全体では12.8%、つまり日本人の8人に1人、男性の4人に1人が、弱者男性を自認している。

「自分は弱者男性だ」と感じる割合
「自分は弱者男性だ」と感じる割合

また、自分で自分を弱者男性だと認識する理由の最たるものには「年収が低い、貧乏である」が挙げられており、続いて「友人が少ない」と「人と話をするのが苦手だ」がトップ3に入った。

つまり、男性は自分の年収が低く、さらに人の縁に恵まれないと「自分は弱者である」と認識しやすいと考えられる。

なお、筆者は「男性が、自分を弱者男性だと思っている割合」をそのまま弱者男性の比率とみなすこともしない。なぜなら、男性は自分が弱者であると認めづらい、認めることが恥ずかしいとされる社会の中で育っており、その精神そのものが、弱者男性差別の重要な要素となっているからである。

自分が弱者男性だと感じている方、認められる方「だけ」でも1600万人である。

日本人の8人に1人が弱者男性…「キモくて金のないおっさん」は本人の努力不足が原因なのか?  調査で見えてきた「日本の男性の現在地」_3