立憲内からも「小池氏の方がやり手」の声

一方の蓮舫氏。小池氏と同日の18日に、立憲の周辺スタッフらとつくった公約「7つの約束」を発表。会見では記者の人数制限を設けず、1時間にわたり19人の記者が質問した。

公約では、多子世帯(住民税非課税世帯)への家賃補助制度のほか、蓮舫氏らしく自民党の裏金問題を意識した政治資金パーティーの不開催や、「東京版・行政事業レビューシート」の導入も打ち出した。

ただ、「少子化対策は小池氏が高校授業料無償化など方針をすでに打ち出しており、独自性を出すのが難しい」(立憲議員)と苦戦。

リベラル層が注目する神宮外苑の再開発をめぐる問題についても「環境アセスメントを、もう一度厳格に検証します」などとしているが、すでに東京都が施行の認可を出しているために、抜本的な見直しには課題も指摘されている。

蓮舫氏も再開発の撤回まで踏み込むかを記者から問われると「検証する前に言葉だけが独り歩きするような答えは、ごめんなさい」と濁した。

合同記者会見で手を合わせる有力候補者の4人(蓮舫氏Facebookより)
合同記者会見で手を合わせる有力候補者の4人(蓮舫氏Facebookより)
すべての画像を見る

立憲関係者は「神宮外苑の再開発に関心がある都民は、そう多くはない。そのこともわかった上で小池氏は進めているし、子育て政策も『無痛分娩費用の助成』など、都だけで実現でき、かつキャッチーなものを打ち出しています。蓮舫氏より小池氏の方が1枚も2枚も上手でやり手ですね」と冷ややかだ。

立憲内の空気も、蓮舫氏の出馬直後とは変わってきているという。

「情勢調査では蓮舫氏が小池氏に10ポイント以上引き離されているとの情報が出回り、すでに立憲内では、蓮舫氏がどれくらいの惜敗率で踏みとどまれるかに関心が集まっています。

投票終了の8時に当確を打たれるようでは、蓮舫氏の今後の衆院選鞍替えや、立憲の衆院選に向けた戦略にも暗雲が立ち込めます。

一度党内でしらけムードができてしまうと、選挙戦を戦うのは難しい。蓮舫氏に近い一部の議員は意気軒高ですが……」(同)

少しの失言やムードの変化で一気に流れが変わると言われる首都決戦。七夕の夜に笑うのは誰か?

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班