住民待望のスーパーだったが…

現場は東京都西東京市東伏見にある、今年3月にオープンしたばかりの激安スーパー「オーケー東伏見店」。付近は閑静な住宅街だが、青梅街道と交差する伏見通り沿いという立地からオープン当初より賑わっており、今朝もいつも通りに主婦たちが訪れていた。

そんな当たり前の風景の中で、80代の女性が1階から地下1階に向かう下りエスカレーターの降り口付近で倒れているのが発見された。事故現場を取材した社会部記者は言う。

「警視庁によると、女性は降り口付近の床と、手すりのレール部分との間に首を挟まれた状態でした。おそらく1階から地下にエスカレーターで移動する際にどこかで自ら転倒し、その後、女性の首がエスカレーターの手すりと床の間に挟まれたのではないかと見られています」

現場を訪れると、エスカレーターは封鎖されてはいたものの、主婦層だけでなく高齢女性も多く訪れていた。利用客のほとんどが「売り場は地下にあるのでいつもエスカレーターに乗っている」とのことだった。毎日ここで食材を買うという30代主婦が語る。

「オーケー東伏見店」(写真/利用者提供)
「オーケー東伏見店」(写真/利用者提供)
すべての画像を見る

「ここはもともと大きなグラウンドだったんですけど、オーケーの建設予定を聞いたときはママ友とも『やっとウチの近くにもオーケーができた!』と喜んでました。
駐車場が大きくて、1階から4階の屋上までたっぷり100台以上も停められるのはいいんだけど、なんでこんなに敷地が広いのに、1階が売り場じゃなくて地下なのかなとは思ってました」

たしかに、広い敷地内の建物なのに、なぜ1階が売り場ではなく地下なのかという疑問はある。

そんななかで、事故で亡くなった女性と同年代の80代の女性は「スロープもあるけど私はいつもエスカレーターを使っている」と話す。

「車椅子の方も降りやすいようにスロープで地下に行けるのが便利でした。まあ、私は歩けるのでふだんからここのエスカレーターを使っていましたが、使いづらいと感じたことはありませんでしたよ。

だから今回どんな状況で事故になったのか想像つかないわ。ただ、エスカレーターは1人用で幅が狭く、乗り降りするときに荷物が引っかかりやすいなとは感じてたので、今後、特に降りるときはつまずかないように気をつけます」(80代女性)