酒癖が悪かった被害者男性
「あれはわざと刺してやろうと思っていたわけじゃなくて、酔っぱらったAさん(被害者の男性)をなだめようとしたら、たまたまナイフが刺さってしまったんだ。それなのに、まるで僕がヤカラみたいに書かれているから本当に迷惑してるんですよ」
そう語るのは、京急本線雑色駅のすぐそばに店を構える居酒屋「せきどん」の店主、関川崇志さんだ。関川さんは昨年12月7日の午前4時50分ごろ、店内にて常連客のAさんの腹を刺すなどして大ケガを負わせた。
直後に関川さん本人から110番通報があり、警視庁蒲田署員が駆けつけたところ、Aさんが右脇腹から大量出血しており、店内にいた関川さんが「口論になり刺した」と認めたため、現行犯逮捕した。
事件の報道があった12月7日にはネットでも大きな話題となり、Xユーザーからは「包丁で客を刺すとか治安悪すぎ」「その店主カタギじゃないだろ」といったコメントが多数ポストされた。
しかし、事件当日の状況について関川さんはこう説明する。
「その日は夜8時ごろから、Aさんを含めた3人の常連客が『せきどん』で飲んでいました。閉店後、彼らは近くのスナックで飲むというので僕も合流したんですが、深夜3時にそちらも閉店になってしまって。
始発まではまだ時間があり、その3人が『寒いからせきどんで待たせてくれ』と言うので、うちで飲み直していたんです。2軒もハシゴしてるのでAさんはそのときすでに相当酔っぱらってましたね……」
関川さんはAさんとは仲がいいが、その酒癖の悪さには悩まされていた。そんな背景から、過去にも泥酔したAさんに対して、包丁を向けたことがあるという。
「Aさんは酔っぱらうと『なんだこの野郎、かかってこい!』と絡むような人で、それが原因で出禁になった居酒屋やスナックもあった。
うち(せきどん)でも『声がデカいから静かにしろ』と注意したら、『俺は格闘技をやってるからケンカには負けねえんだ!』とすごんできたことがあって、僕はたまたまとんかつを切るために研いでいた牛刀を、カウンター越しに見せて『どんなに強くても刺されたら終わりだよ』と言って、おとなしくさせようとしたことはある。
もちろんそれを含めて、包丁で誰かを傷つけようとしたことなんて一度もありませんが」