今年も世界各地で拡大中のデング熱。日本は大丈夫?
蚊の話題で忘れてはいけないのが、蚊が媒介するウイルスによって発症する「デング熱」だ。
日本でも、2014年に国内感染が70年ぶりに確認され、結局、感染場所と推定された代々木公園などがある都内を中心に、全国160人以上の感染者を出した。その後、国内では流行にいたっていないが、世界各地では今年も猛威を振るっており、決して対岸の火事とはいえない。
「デングウイルスは50~70%の割合で不顕性感染(感染しても発症しない状態)で終わるとみられていますが、その状態で海外から渡航してきた人がヒトスジシマカなどデングウイルスを媒介する国内の蚊に血を吸われ、その蚊が別の人を刺すことでウイルスは広がってしまうのです」(同)
デング熱に感染すると、おもに発熱や発疹、嘔吐などの症状が続くそうだ。過去に感染したことがあるというフィリピン在住の30代男性はその体験をこう振り返る。
「今までかかった病気のなかで断トツで辛かった。最初に頭痛と関節痛がきて、その段階ではただの風邪だと思ったけど、すぐに熱が39度まで上がって緊急入院です。
その後は4日間にわたって高熱が続き、吐き気もあって数日は何も食べられなかった。1週間後に退院したものの、だるさは退院後1ヶ月は続いて……。もう二度とかかりたくないな」
感染すると最悪の場合、死に至ることもあるデング熱。世界保健機関(WHO)によると、2023年には世界でおよそ500万人以上のデング熱患者と、5000人以上のデング熱関連死が報告されている。