老害VS若害の構図に…

「若者の感性で周囲を困惑させることを“若害”と考えています。社会の中で常識とされていることを理解していなかったり、それに反する行為(暴走)を指します。例えば、ハラスメントを拡大解釈して、自分に都合のいいように理解している。自分の都合の悪いことはすべて『ハラスメントだ!』と主張する、ハラハラ(ハラスメント・ハラスメント)をするのも“若害”のひとつです。

本人は自身の言動が若害になっていることの自覚はないと考えます。指摘されて初めて気づくのではないでしょうか。若害という言葉や意味も含めて、一部の人しか知らないと思いますので、まだあまり浸透はしていないのですが」(村嵜さん)

日本ハラスメント協会代表理事・村嵜要さん 
日本ハラスメント協会代表理事・村嵜要さん 

ただ、今回の勝俣とスタッフの一件は、勝俣が一方的に若害を受けたのではなく、老害と若害のぶつかり合いだったとも指摘する。

「勝俣さんは親切心から『ビビアン、これ取り分けてあげて』と発言されていると思いますが、これは“パワハラ”に該当します。『俺らは体育会系で育ってきた。一番下の子がそうやってやることで、みんなに名前を憶えてもらったり、みんなに溶け込んでいったんだよ』と主張していましたが、これも“老害”に該当すると考えます。理由としては、勝俣さんが自身の考えを周囲(若者)に押し付けているからです」(村嵜さん)

しかし、スタッフが「それ老害になっちゃいますんで」と勝俣を注意したことも問題にあたるという。“老害”という言葉を入れた指摘(言い方)が暴言と捉えることができるため、このスタッフの言動は“若害”になる。

要するに、年齢が上の人に「あなたは老害です」と注意することが、“若害”に該当してしまうということだろうか。

「スタッフの人は勝俣さんに対して、『取り分けをさせることは今の時代ハラスメントにもなりかねないので、個々で取り分けましょう』など、別の言い方をすれば若害にはならなかったと考えます。面と向かって老害という言葉を入れて注意するのは失礼にもあたります。正論でも言い方には配慮する必要があります」(村嵜さん)