元ウルトラマン俳優が立ち上げた新たな事業
この日、取材のため長野県上田市にある新オフィスに訪れると、五十嵐さんは俳優時代と比べてすっかりふくよかになった体躯と、当時と変わらない柔和な笑顔で迎えてくれた。
俳優引退後、六本木でしゃぶしゃぶ店を4年、沖縄でバー経営を1年、静岡県浜松市のバーで4年ほど雇われ店長を務めてきた五十嵐さん。今年6月からスタートする新事業は『ウルトラマンメビウス』で共演した仁科克基(にしな・まさき)さんから聞いた話がきっかけだったという。
――五十嵐さんが始めるという新事業はどのようなものなのでしょうか?
五十嵐隼士(以下、同) 克基くんが昨年から宮崎県日南市で障がい者支援施設のフランチャイズ店を運営をしていると聞きました。
障がい者を対象とした就労支援はさまざまな種類がありますが、克基が運営する障がい者就労支援施設「ヒカリマーリン」が加盟するガルヒ就労支援サービスは、WordやExcelといった資格など、ITに特化したスキルを学べるところが特徴で、できるだけ高収入の仕事に就いてもらうことを目的としています。
――その話を聞いて興味を持った。
はい。水商売はお客さんを相手に人間の表裏が見られておもしろい、やりがいのある仕事でしたが、障がい者支援は今まで僕がやったことのない、直接的に人のためになる仕事。
障がい者って低賃金で雇用されがちなんですよね。聞いた話だと、週の所定労働時間30時間以上で働く障がい者の1ヶ月あたりの賃金は平均20万円以下だそうなんです。時間額にすると最低賃金以下で雇用されている場合もあるそうで。
そういう障がい者の方々にスキルを身につけてもらって高賃金を受け取ってもらう。当事者にとっても会社にとってもいいことじゃん! と思って、水商売以上のやりがいを感じたんです。