芸能人だって、同じ人間

──『おひとりさま論』は「おひとりさまでもいいじゃないか」と肯定することが全体のテーマかと思います。そもそも、どうして出版することになったんでしょう?

島崎遥香(以下同)
 2024年でちょうど30歳になるというタイミングで、編集者からなにかご一緒できませんか、とお話をいただきました。芸歴としても15周年で節目の年だったので、 なにか記念に残るようなものを、と思ってお受けしました。

「ぱるる」こと島崎遥香さん
「ぱるる」こと島崎遥香さん
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──そのなかで「おひとりさま」というテーマにしたのはどうしてでしょう?

最初のイメージは、もっと雑誌みたいな感じだったんですよ。テーマも、「韓国グルメ」についてとか、もう少しポップなテーマで。でも、編集の方と話すうちに、だんだん人生論的なテーマになっていきました。

たった30年しか生きていませんが、普通の人より早く社会に出て、いろいろな経験をしてきたので、アドバイスできることがあるかもと思って。

今はSNSでも、愚痴とかマイナスなものが多いじゃないですか。もしかしたら思っていることを聞いてもらえる相手がいなかったり、自分で解決策を見出せなかったり、そういうことにみんな悩んでるじゃないかと思いました。

──確かに人間関係で消耗している人が多いですね。

SNSで吐き出すのもいいけど、そうしていても本当に孤独になってしまう人もいると思うんです。そういう人に向けて、ちょっと前向きになれるようなものを発信したいと思いました。そう感じてるのは自分だけじゃないと思えるようになってもらえればいいかなと。

芸能界はキラキラして見えるじゃないですか。でも、実際は全然そんなことなくて、芸能人だって同じ人間なんだよ、一人の人間として悩むし、苦しかったときもあるんだよ、っていうことを伝えたかったです。共感してもらえたらうれしいですね。

島崎さん自身がデザインや言葉遣いまでこだわった
島崎さん自身がデザインや言葉遣いまでこだわった

──なるほど。その中で、「一人でもいいんじゃないか」という、この本全体につながる「おひとりさま」というキーワードが出てきたわけですね。実際に本を出してからの反響は?

若い女の子たちからDMが結構来ていますね。それも、かなり長文で(笑)。みんな、悩んでいるのかな、と思いました。みんなが思ってたけど言えなかったことをはっきり言ってくれた本じゃないかと、ある取材で言われたんです。だから、そういう反応もあるのかと。