「なんでタバコも吸わないのに玄関前で突っ立ってるんだろう?」

火は1階の約3平方メートルを焼いただけで燃え広がらず、消防隊が到着したときには消えていた。警視庁の調べでは玄関や窓は全て施錠されており、現場から刃物が見つかったという。血痕は玄関の外にもあった。警視庁は4人を司法解剖して詳しい死因を調べる。

近所の住民の話などによれば、高波さんは2015年にA氏と結婚し、それを機に元々、高波さんの家族が所有していたこの家に移って暮らしはじめた。その後、3人の子が生まれ、一家5人暮らしだったという。

「小学校に入ったばかりの鈴ちゃんはお話が上手で、最近も『小学校はどう?』と聞くと、『ともだちがいっぱいできて楽しい』と返事してくれてましたね。

私が最後に見たのは21日の朝8時前、鈴ちゃんとお母さんが学校へ行こうと玄関から出たところで、鈴ちゃんは『いってきまーす』と言ってくれていました」と前出の男性は話す。

高波さんの自宅付近(撮影/集英社オンライン)
高波さんの自宅付近(撮影/集英社オンライン)

また、近所の飲食店の店員は「子どもと一緒にいるのを見かけるのは旦那さんが多かった。小学校に上がった娘さん(鈴ちゃん)がまだ小さい頃、保育園だか幼稚園だかに連れて行って帰りのお迎えをするのも旦那さんだった。なんとなくだけど子どもと一緒にいるのはいつも旦那さんだし、奥さんは外で働いていたのかも」と話す。

高波さんとA氏が離婚したことを知っていた地域の人はほとんどいなかったもようだ。

一方、惨劇は23日午後に発覚したが、高波さん宅ではその前夜から“異変”が起きていた。

「22日の夜の8時30分ごろですかね? 窓を開けると妙にガソリンっぽい匂いがしたのでベランダから見ると、お父さん(A氏)が何をするわけでもなく、自宅のドアに向かって突っ立っていたんです。服装は上下黒い服を着ていました。

あそこのお父さんは、ふだんから夜に玄関前でタバコを吸っていたのですが、そのときは吸っていなかったんです。だから『なんでタバコも吸わないのに玄関前で突っ立ってるんだろう?』と不思議に思いました。ガソリンの匂いは深夜の1時ごろまで続きました」(近隣住民)

元夫のA氏
元夫のA氏