「ご主人が子どもに怒っているのは見たことがない」

亡くなったのは高波冬美さん(37)と長女で小学1年の後藤鈴ちゃん(6)、次女の玲ちゃん(3)と長男の信ちゃん(2)=いずれも保育園児=の4人。全員の上半身に複数の刺創と切創があり、室内から刃物が見つかった。

近所の人の証言によると、高波さんは地元の戸越銀座商店街の出身で実家は50年続く食肉の卸業者を経営、以前は自宅を介護施設に貸し出していたという。

事件後の高波さんの自宅前(近隣住民提供)
事件後の高波さんの自宅前(近隣住民提供)
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「火事が起きて4人が亡くなった今回の現場の家は、昔は冬美さんのご両親が住んでいて、その後に貸しに出して介護施設になっていたの。

その後に冬美さんが後藤さんと結婚して入居してきたんだけど、子供が生まれる前はビッグスクーターに夫婦2人乗りで出かけるのをよく見かけましたよ。

3人もお子さんがいるとは知らなかったけど、奥さんと旦那さんが言い争ったり、物が壊れる音とか、子供が泣く声とかは私は聞いたことない」(近隣飲食店の女性店員)

別の近くの住民もこう証言する。

「あそこのお宅は以前はデイサービスに使われていて、あのご夫婦が入居されたのは今から5~6年前ですね。ご主人はふくよかな体型で、顔を合わせれば『こんにちは〜』と笑顔で挨拶してくれるし、子どもに怒っているところも見たことありません。

奥さんも割とふくよかで、物事をはっきり言うタイプではありましたね。それこそ毎朝7時ごろに、ご夫婦でお子さんを保育園に送るために自転車に乗って出かけるのですが、お子さんがグズって泣き出したり、チャイルドシートに一人で乗ろうとすると『危ないからやめて!』と怒るのは何度か見かけたことがあります。

でも、道ですれ違うと『おはようございます』とか笑顔で挨拶してくれる優しい方だったので、虐待とかではなく、あくまで子どもの教育のために叱っているという感じでした」