長女と長男は刃物で切られた後、有毒な煙を吸って亡くなった
亡くなったのはこの家に住む母親の高波冬美さん(37)と、Aさんの間に生まれた長女で小学1年の後藤鈴さん(6)、いずれも幼稚園児の次女・玲ちゃん(3)、長男・信ちゃん(2)。4人とも上半身を複数、刃物で切られたり刺されたりしており、一階の寝室周辺で見つかった。家の中からは刃物が発見された。
一階のリビングに散乱した衣類などが燃えていたが、火は燃え広がらなかった。また冬美さんと事件の3日前に離婚が成立していた元夫のAさんも首などに傷を負い、煙を吸い込んでいて搬送され、治療を受けている。
警視庁の調べでは冬美さんと玲ちゃんは刃物で切られたことによる失血死とみられ、鈴さんと信ちゃんは一酸化炭素中毒が死因とみられる。
「事件当時、家の窓や玄関はすべて締め切られており、火が出た部屋は煤で真っ黒でした。締め切った空間で酸素が欠乏する状態で物が燃え、一酸化炭素が発生したようです。警視庁は3人の子と冬美さんが刃物で切られた後、部屋に火がつけられた可能性があるとみています。鈴ちゃんと信ちゃんは刃物で切られた後も息があったのに、有毒な煙を吸って亡くなったようです。家には外部から侵入した形跡がなく、警視庁は現場で自殺を図った疑いがあるAさんから事情聴取を進めていますが、ネット上で噂されているような単純な事件ではない」(警視庁担当記者)
現場では事件発覚前日の5月22日夜、Aさんが玄関前で一人でたたずんでいる姿が目撃されたほか、ガソリンのようなにおいも漂っていたと近所の人が証言しており、この日の夜に異変があった可能性がある。
SNSなどに記されたプロフィールによると、Aさんは2002年から12年までの10年間、美容師として勤務しながら「店舗開発やマーケティング、人材育成を経験」したとしている。その後、約11年間は介護職に就き、動画を使用した研究の企画発案や人材採用の役目も担ってきたと紹介している。昨年勤めていた介護施設を退職して動画編集業を開始。ちょうど1年前の2023年5月27日に「X」に「動画編集案件獲得に向け営業スタートで。」と書き込んでいる。