雑草醤油炒め

俺は河川敷や公園で食べられる野花を探し回った。そこで、なんかニラっぽい雑草を発見。なんか野菜っぽいし、これ醤油で炒めたらうまいんじゃねーか?そう思い、そのニラっぽい雑草をひたすら採取し、慌てて家に戻り、急ぎフライパンをだし、醤油で炒め、白飯と一緒に食った。

雑草
雑草

うまい! 訳が無い……。くっそまずい。

思いっきりため息が出た。まぁ、自分で蒔いた種だし、漫画おもろかったし、あと4日、これで我慢すっか……そう思ったその時。

ドンドンドンドン!!

ものすごい強さで玄関の扉を叩く音がした。

ビクッ! っと跳ねる俺の身体。扉を叩く音を聞いたその瞬間、俺はピンときた。扉を叩いているのは……おそらく借金取りだ。

どうしよう、俺は恐怖で身体が凍りついた。まさか、家に乗り込んでくるなんて!もはや飯どころではない! まずいから食う気にもならなかったから丁度いいというのはさておき!

居留守を使う……訳にもいかないか。電気ついてるし。

そうこう考えている間も、扉は叩かれ続けている。もう、出るしかない。俺は、ありったけの勇気を振り絞って、玄関に向かい、一つ大きく深呼吸をしてから、そっと……玄関の扉を開けた。

すると……そこにいたのは、物凄いゴッツイおっさん!

中一の俺にとっては、もう2メートル強はあるのではないかと思わせるそのおっさん!

たぶん実際は180センチくらい!

その2メートル(仮)のプロレスラーのようなゴッツイおっさんは、俺を見下ろし、そしてこう呟いた。

「お父さんいますかー?」

この声! この異常に低い、しっぶい声、間違いない。いつも電話をかけてくる、あの借金取りだ。

もはや怖過ぎて何も言葉が出ない俺に借金取りは、

「お父さん、いるでしょう?困るんだよねー。こっちも」

「…………」

「まあね……。君に言っても、しょうがないんだけどね」

怖すぎる!!! なんか妙にゆっくり喋る感じがもう怖くてたまらない!

「い……いな……いです」

俺はなんとか言葉を絞り出した。が、

「お母さんは?」

俺は首を横に振る。

「おじいちゃんとかおばあちゃんは」

俺は首を横に振る。

「……そんなわけ、ないよな?」

そんなわけあるんです!本当に、本当にいないんです!!!

「じゃあちょっと、家にあげてもらっていいか?」

そう言われても動けない俺。あ、でもここで黙っていたら、本当はいるのにいないって言ってると思われるかもしれない! 俺は慌てて強く縦に頷く。ゴッツイ借金取りは家の中に入ってきた。

借金取りはまずリビングに向かう。が、当然リビングには誰もいない。少し黙ったあと、他の部屋に向かう。