細客ほどストーカーに…
夜の世界を制した女性たちの意見はどうか。「美人茶屋 六本木」に在籍中はカリスマキャバ嬢として活躍した葉月芽生さんは、こう持論を展開する。
「男性は、相手を好きにならなければお金を使ってくださいませんから、水商売をやっている女性のほとんどが色恋の手法で仕事をしています。
私もかつて『結婚しようね』と言っていたお客さまがいましたよ。その方は私に1億円くらい使ってくれていたんですが、ある時期をさかいに経営がうまくいかなくなったらしく、お店で使ってくれる額が減っていったので潮時だと感じ、私から『やっぱり仕事をがんばりたい』『他に気になる人ができた』と言ってお別れしました。
それでも逆恨みされることはありませんでした。なぜきれいに別れられたかといえば、その方がれっきとした経営者で、使ってきたお金に悔いがなかったから。
今回の加害者は明らかにお金が潤沢にある方ではないですよね。ただ、そんな人からは無理に(お金を)引っ張り出さないのがキャバ嬢として基本のルールかなと思います」
しかし、そんなルールを守っていても、危険な目にあうことはあるという。
「私もストーカー被害にあったことがあります。しかも4人も。家の前や店の前で待ち伏せされたり、他のお客さまと同伴で入店しようとしたときに腕を掴んできたり。
ストーカーしてきた人たちが使ったお金はそれぞれ総額20~30万円くらい。こういう方たちのほうがお金もないのに無理していらっしゃって、『こんなに使ってやっただろ!』と見返りを求めてくる傾向にあると思います」(葉月さん)
だからこそ、お金のない客に無理をさせないのもキャバ嬢の仕事だという。
「新規のお客さまは名刺をいただくのはもちろんのこと、飲み方やクレジットカードの種類を見れば、その方の(支払いの)キャパシティがわかります。
見栄を張ってしまいがちな男性の懐事情をご本人以上に把握することも大事なのです。
とはいえ、今回の被害女性はお仕事熱心でその方なりにお客さまに対応していたことと思います。このような事態になり、お悔やみ申し上げます」(葉月さん)