芸能人御用達の理由がわかった

さて、こんな「オーベルジーヌ」は、「ロケ弁」としてのイメージが強い。

実際、テレビで芸能人が、このお弁当について言及する機会が多いのだ。日向坂46のメンバーが好きなロケ弁として紹介したり、また、芸人の小籔千豊が『人志松本のすべらない話』の中で、「もっと楽屋のお弁当としてオーベルジーヌを増やしてほしい」と話したことも話題を呼んだ。

また、脇役であるポテトも、かつて『タモリ倶楽部』の「今夜だけ主役の座に!収録弁当 脇役おかずドラフト会議』という企画で紹介されたぐらいだ。

ロケ弁として人気の理由はいくつかあると思う。

一つ目は、かなりがっつりとしたボリュームのある「欧風カレー」で、ちょっと食べ進めただけで、お腹の満足度がかなり高いこと。これ、ロケの合間など疲れてるときに食べたら最高かもしれない。

二つ目は、冷めてしまっても美味しく食べられることだ。時間が不規則になりやすいロケ現場では、温かいお弁当が食べられるとは限らない。どうやら、「オーベルジーヌ」では、冷めてもカレーが固まらないような工夫を施しているらしい。この、お弁当に特化したカレーへのこだわりこそ、人気の理由の一つだといえる。

「芸能人と同じ味が食べられる」というポイントも大きい

このように芸能人たちからの熱い支持もあってか、「オーベルジーヌ」は近年、積極的に企業とのコラボなどを行ってきた。イトーヨーカドーの名物イベントである「カレーフェス」「カレードリア」を監修・販売したり、日清から「カレーメシ」を監修・発売したりしている。

しかし、実際に芸能人が食べているものと同じものを食べるとなると、電話やUber Eatsで配達を注文するか、四谷三丁目の店でテイクアウトするしかなかった。

だからこそ、地の利のいい東京駅への出店が、大きな反響を呼んでいるのだろう。

実際、SNSを見てみても〈憧れのロケ弁で芸能人になった気分……!〉とか〈あの『オーベルジーヌ』が我が家に!〉といった投稿が多い。

味もさることながら、「芸能人と同じものが気軽に食べられる」ことこそが、「オーベルジーヌ」の東京駅出店の反響の理由といえるだろう。