静岡県知事選で漂う暗雲

「不祥事が重なり議員を辞職する決意をした。改めて国民のみなさまに深くお詫びを申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」
4月23日、宮沢氏は衆院議長に辞職願を提出した後、報道陣の前で沈痛な面持ちで語り、深々と頭を下げた。

この翌日、週刊文春が宮沢氏について、コロナ禍の2021年に妻子とは別の女性と同棲していたことや、出会い系サイトで知り合った女性にお金を払って性行為をしていたことなどを明らかにした記事を掲載。
安倍派に所属し、裏金問題が発覚した際には派閥から口止めがあったことを暴露。「安倍派を介錯する」という名言も残した宮沢氏だが、最終的には自身が週刊誌から介錯される形となった。

宮沢博行議員(本人Facebookより)
宮沢博行議員(本人Facebookより)
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そして、この宮沢氏の不祥事は、ただ一議員のスキャンダルでは済まない事態に陥っている。
というのも、宮沢氏の地元は静岡県で、5月には川勝平太知事の辞職に伴う静岡県知事選が予定されているからだ。地元から選出された国会議員の電撃辞職は、知事選において自民党に大きな逆風になるのではないかと見られている。

「静岡は裏金問題で離党勧告を受けた安倍派座長の塩谷立衆院議員の地元でもあり、もともと知事選は逆風が予見されていた。そこに宮沢氏の不祥事も重なった。自民党の静岡県連はまさに泣きっ面に蜂の状態だ」(永田町関係者)

静岡県知事選をめぐっては、すでに元副知事の大村慎一氏と前浜松市長の鈴木康友氏が立候補を表明。
自民党静岡県連は大村氏の推薦を決定して党本部に上申、一方で立憲民主党や国民民主党は鈴木氏の推薦を決め、与野党対決の構図になろうとしている。