「片道切符でも宇宙に行きたい」

――お二人は宇宙に行ってみたいと思いますか?

前田
 いや、僕は思わないですね。地球の花粉症はしんどいですけど(笑)、いくら宇宙が無花粉だとしても行きたくはないかな。

佐々木 僕は行きたいです。イーロン・マスクが「火星に最初に行く人たちは生きて帰ってこられないかもしれない 」みたいなことを言っていたのですが、でも絶対にスターじゃないですか。銅像とか建ててもらえそうじゃないですか。

前田 火星にね。

佐々木 火星に(笑)。

前田 片道切符でも行きたいんですか?

佐々木 行きたいですね。たぶん海外旅行に行きたいっていうノリとあまり変わらないかもしれない。
 

前田 死んじゃうかもしれないのに。

佐々木 火星レベルの挑戦だったらいいかなとは思っちゃいますね。

前田 火星に行ってやってみたいことはあるんですか?

佐々木 植物も海もない環境が気になるなというのはありますね。

前田 たしかに。映画の『オデッセイ』じゃないけど、作物を育てたりするだけで感動しそうですよね。

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――火星に行くとなったら、何を持っていきますか?

佐々木
 やっぱり球技をやったらどうなるのか気になるので、バットとボールを持っていきたいですね。重力が3分の1だから、ホームラン打ちまくりだと思います(笑)。

前田 バントでホームランがいけるかもしれない。

佐々木 あり得ないぐらいの遠投とかできますよ。

前田 やってみたいけど、三体みたいな環境だときついかなぁ。『機動戦士 ガンダム』で描かれているみたいに宇宙空間で快適に過ごせるんだったら、行ってもいいかなと思うんですけど。
 

――Netflix版『三体』は全8話でひとまず終わっています。まだ途中なので、続編を期待する声が大きいですが、シーズン2に向けてお二人が楽しみにしていることは何ですか?

佐々木
 個人的に宇宙描写はもっと減るだろうなと思っていて。そのぶん人間描写に全振りした形で、面壁者の話がシーズン2の中心になるのかなと予想しています。僕、『ゲーム・オブ・スローンズ』がめちゃくちゃ好きなんですけど、あれも評判がよくなっておそらく予算も増えていって、人物描写がすごく細かくなっていきましたよね。『ゲーム・オブ・スローンズ』をつくった人たちが『三体』を製作しているので、そのパターンはたどるのかなと。

前田 それはあり得ますね。

佐々木 あとは、三体艦隊の航跡を見つける描写が楽しみです。宇宙空間って何もないっていうイメージが強いじゃないですか。けれど、宇宙空間にはガスとか塵が密集している場所があって、小説版の『三体』でもそこに衝突した衝撃波のようなものから航跡を検出している描写があるんです。こういった宇宙の仕組みを作者の劉慈欣さんが把握しているのはすごいなと思ったので、そこがどう映像で描かれるのか、ちょっと楽しみにしています。

前田 極論を言えば小説版がいちばん細かく細部を鮮明に解像度高く書いていると思っているので、ぜひ小説版も読んでもらいたいのですが、Netflix版ももちろんめちゃくちゃ期待しています。シーズンを重ねるごとに地球に対する〝母星愛″が芽生えるような作品になっていったらいいですよね。
映像化不可能ってずっと言われていた作品を、これだけみんなが楽しめるものにつくり上げたチームなので、途方もないものに対しての表現と、宇宙の怖さみたいなところもどんどんスケールアップしながら映像化してくれるのかなと期待しています。
視覚表現によってみんなが理解できるものにしてくれて、宇宙にあまり興味ない人でも普通に楽しめるから、SFの世界に飛び込むのにこんなに最高の入口はないと思います。早く続きが観たいです!

※「よみタイ」2024年4月16日配信記事

撮影/上澤友香 
取材・文/澤田真幸

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