「安易な気持ちで購入するには本当にリスクが高い」
副業転売ヤーが増え続けている背景には、転売ヤーたちが「情報を売る」オンラインサロンなどを立ち上げたことも一つの要因だ。別の転売ヤーのB氏は「副業転売ヤーは俺たちにとって“いいお客さん“ですね」と話す。
「俺たち転売ヤーって常に『何かで利益が出ないかな?』って考えているんです。それで自分が持っている情報が金になると考える人も多くて、数年前からXやラインチャットなどで複数の転売サロンが立ち上がりました。
サロンでは月額会員から数千円ほどいただいて、何が儲かるか、その情報を売っています。さらに自分のサロン生が購入したプレミア商品を、サロン限定の高額価格で買い取り、それを二次転売することもある。
例えば、サロン生が買ったスニーカーを1足7万円で買い取り大量に集め、上乗せして海外に売りさばく、これはルートをもっている本業の転売ヤーしかできませんからね」
Xでは「初心者大歓迎」などと言葉巧みに、転売に関するオンラインサロンやブログに誘導するアカウントが多数見つかる。
「コロナ禍以降、社会に不安を生まれたことから、本業以外の収入源を求めるようになった人たちが転売に目をつけ、ブームに火が付いた。シャインマスカットボンボンは、悪質サロンにのせられた副業転売ヤーが買い漁って、メルカリなどに出品している可能性が高いですね」
このB氏もまた「食品は転売にむかない」と断言する。さらに、今回のブームはこれまでになかった“危険性”があるという
「メルカリには食品を出品する際には、箱や袋から出した個包装食品でも消費期限と食品表示などを確認できる状態での発送がルールとされています。しかし、シャインマスカットボンボンの出品をみてみると、1粒単位で売っているものもあり、安易な気持ちで購入するには本当にリスクが高い。
確かにこれだけ話題になっている商品を食べてみたいという気持ちはわかりますが、再販される可能性もあるので、それを待つのでもよいのではないでしょうか」(B氏)
プロ転売ヤーも副業転売ヤーも“他人のふんどし”で大金を儲けているのにはかわりはない。だが、転売ヤーにまで敬遠される高額グミに、はたしてどれだけの価値があるのだろうか。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班