リウマチ因子(RF)

リウマチ因子(RF:リウマトイド因子とも言う)は、一般の健診に含まれていませんが、希望すれば追加できるはずです。また人間ドックでは、定番のひとつになっています。関節リウマチなどのスクリーニングの指標になります。

関節リウマチは、膠原病と呼ばれる自己免疫疾患の一種で、自分の免疫が、自分自身の関節や骨を攻撃する病気です。初期のうちは、熱っぽかったり、だるかったりの症状が数週間続き、次第に朝起きると、両手の指がこわばってきます。

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そして次第に、手指や足指、手首や足首、肘や膝の関節が強い炎症を起こして痛むようになり、やがて軟骨や骨の破壊が進んで、関節の変形が起こってくるという病気です。しかし関節リウマチがなぜ起きるのかは、まだはっきり分かっていません。

RFは免疫タンパク質の一種です。ところがここが面倒なところですが、RFがリウマチの原因というわけではないのです。RFが高いからリウマチになるのではなく、リウマチになるとRFが上がってくる、という関係にあります。

基準値は病院等によって多少異なりますが、だいたい15mg/dL以下で、それ以上が「陽性」という判定になります。148第8章痛風と関節リウマチ149+ただしリウマチに罹っていてもRFが陽性にならないひとが、20〜30パーセントいます。またリウマチ以外の膠原病でも、RFが陽性になることがあります。
 

逆にリウマチでないのにRFが陽性になるひとが10パーセント前後います。健康なのにRFが100を超えるひとも、時々いるようです。

ですからRFが高いからといって、すぐにリウマチと結論づけるわけにはいきません。手足の指の関節に何かしら自覚症状があれば、リウマチの可能性が高まりますが、自己診断せずに、まずは専門医を受診するべきです。リウマチ科、膠原病科、整形外科などが適しています。

重症化すると、箸を持つのも難しくなりますし、足の指が炎症を起こすと、歩きにくくなったりします。関節の変形がひどくなると、手術が必要になることもあります。炎症を起こしている軟骨や骨を削り取ったり、膝などに人工関節を入れたりするといった、かなり大がかりな手術になります。

日本リウマチ学会によれば、全国の推定患者数は82万5000人ほど。毎年約1万5000人が新たな患者になっているそうです。男性よりも女性のほうが3倍以上もなりやすく、年齢的には40代〜60代が多いのが特徴です。しかし最近は高齢で発症するひとも増えています。高齢で発症すると、そのまま寝たきりになることもあります。

いまのところ完治は難しいですが、いい薬が開発されているので、早めに治療を始めれば「寛解」(炎症が治まり、痛みがほとんどなくなる状態)を目指すことができるようになりました。その意味でも早期発見が大切です。40歳を超えた女性は、RFを職場健診などに追加するといいでしょう。